マンダラチャート の商品レビュー
主人公の雅美と同年代の読者としては、彼女の置かれた状況に共感して読んだ。 63歳から中学2年の自分にタイムスリップしてしまう。 この設定に期待して読み始めたが、予想以上に面白い小説だった。 人生を繰り返すのだから失敗は回避できるはずなのに、偏差値の高い大学卒だからというバイアス...
主人公の雅美と同年代の読者としては、彼女の置かれた状況に共感して読んだ。 63歳から中学2年の自分にタイムスリップしてしまう。 この設定に期待して読み始めたが、予想以上に面白い小説だった。 人生を繰り返すのだから失敗は回避できるはずなのに、偏差値の高い大学卒だからというバイアスに遮られる就職活動には、男女差への根深さを実感させられた。 様々ありながらも雅美の最後の台詞は、様々な葛藤に苛まれた雅美に新たな道を歩む力強さを感じ大満足な結末だった。
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大谷選手が黙秘達成のために作ったマンダラチャートを見ながらつぶやく63歳の雅美。 家事労働に子育てにパート仕事に多くの時間を費やして、何も成し遂げることなく終わりに近づいてきた人生。 今なら…と買い物メモの裏に書いたマンダラチャートを眺めていると〜 気がつけば中学生に戻っていた。...
大谷選手が黙秘達成のために作ったマンダラチャートを見ながらつぶやく63歳の雅美。 家事労働に子育てにパート仕事に多くの時間を費やして、何も成し遂げることなく終わりに近づいてきた人生。 今なら…と買い物メモの裏に書いたマンダラチャートを眺めていると〜 気がつけば中学生に戻っていた。 さぁ、やり直そうと、好きに生きてみようと…。 令和の時代に戻ってきた雅美が、諦めずに違う人生を選ぼうとするわくわく感が伝わってきた。 あきらめたら終わり、なんとかなると自分で道を開かないといつまでも変わらない。 タイムスリップものだが、年代がほぼ同じなので当時の家の電話しかないことや短大卒が優遇される所謂腰かけ的な時代だったことを思い出した。 特に世間体を気にする両親や大学卒の女性を好ましく思っていない会社など、それが普通で反論することなど考えたこともなかった。 誰かが声をあげていかないと何も変わらない。 いろんなことを気づかせてくれた。
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この作者が得意なタイムスリップもの。昭和の男尊女卑に嫌気が刺す描写など、これまでの作品と似ているところが多く、新しい視点があまり感じられなかった。
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今の自分にとっても共感できる内容。 令和の時代でも、まだまだ男性社会だと感じる事が多く、結婚をして子供を産んで育てる事が女性の生き方だとされていて、アラフォーの自分はヒシヒシとその視線を感じる。 昭和ど真ん中で生きてきた母親はまさに亭主関白な父親に嫌気がさして離婚したいと言いつつ...
今の自分にとっても共感できる内容。 令和の時代でも、まだまだ男性社会だと感じる事が多く、結婚をして子供を産んで育てる事が女性の生き方だとされていて、アラフォーの自分はヒシヒシとその視線を感じる。 昭和ど真ん中で生きてきた母親はまさに亭主関白な父親に嫌気がさして離婚したいと言いつつお金がなくて生きていけないと嘆いている。 そんな風に後悔する人生なら離婚して再スタートしたらいいのにと思うが、ただただ愚痴を言うばかりの母親にイライラする日々。 自分は結婚して家事と子育てで終わる人生は嫌だから、結婚しないと思っているがなんだかたまらなく孤独を感じる瞬間もある。 あー、一度きりの人生難しい。
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