ひまわり の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
事故で頸椎損傷四肢麻痺になった女性が弁護士を目指す物語。 著者にしてはエンタメ度抑え気味なヒューマンドラマ。 前半の司法試験を目指すことを決めるまでの苦悩が本当に痛々しい。 司法試験に向けての物語は、成功することがわかっていても手に汗を握る展開でした。 社会的弱者にとっての協調性と寛容性について考えさせられた作品でした。 実在の人物の話をベースに著者なりの物語に昇華したもののようで、できればひまりのその後と弁護士としての活躍エピソードが見てみたいです。
Posted by
#読書記録 #ひまわり #新川帆立 年の瀬に凄い作品に出会った。 次々と立ちはだかる壁を、自身の熱意と、仲間や家族、幼なじみの力を借りながら乗り越えて行く。人間に不可能はないという言葉を、ひまりを見ていると信じてしまう。 商社への復職の道を断たれ、行き場を失いかけて司法試...
#読書記録 #ひまわり #新川帆立 年の瀬に凄い作品に出会った。 次々と立ちはだかる壁を、自身の熱意と、仲間や家族、幼なじみの力を借りながら乗り越えて行く。人間に不可能はないという言葉を、ひまりを見ていると信じてしまう。 商社への復職の道を断たれ、行き場を失いかけて司法試験を目指すひまりが、周囲との出会いの中で新たな志を形作っていく過程が胸を打つ。 同時に、障害を持つ人の生活の厳しさや、取り巻く環境の理不尽さに気づかされる。自分の世界を広げてくれた作品でもある。 いきなり感情がこみ上げるので外で読むときは注意。クライマックスの司法試験の章では拳を握りしめて読んだよ。 #読書好きな人と繋がりたい #読了
Posted by
ひまわりを読んで最初に思ったことは、今私の目の前で車椅子に乗っている方が倒れても、私はどうしたらよいか分からず、おろおろするだけだろう。 「よくわからないものは怖いし、めんどくさい、なるべ視野に入れたくない。自分の世界と切り離したい」 主人公のひまりの言葉通りです。 ひまわりの...
ひまわりを読んで最初に思ったことは、今私の目の前で車椅子に乗っている方が倒れても、私はどうしたらよいか分からず、おろおろするだけだろう。 「よくわからないものは怖いし、めんどくさい、なるべ視野に入れたくない。自分の世界と切り離したい」 主人公のひまりの言葉通りです。 ひまわりの中で印象に残った言葉は沢山ありますが 「相手の理解しやすい言い方で、相手が受け入れやすい状況に誘導して、落としどころを探す。それが交渉です。相手には相手の理屈がある。生易しくありなせん。 言葉があるかぎり私たちはつながれる」 この言葉に一番感銘を受けました。 それから、TV番組の中で作者の新川帆立さんがおしゃっていた「優しくあるためには、勉強しなきゃいけない」も感銘を受けました。
Posted by
突然の事故で頸髄を損傷してしまう33歳のひまりが、過酷なリハビリを続けて復職しようとするのだが会社側はできれば退職をと…やんわり告げらる。 幼馴染のレオが司法試験を受ければと勧めてくれ、そこから新たな道を目指そうとするひまりだったが。 家庭でも両親の支えでなんとかやっていたが、...
突然の事故で頸髄を損傷してしまう33歳のひまりが、過酷なリハビリを続けて復職しようとするのだが会社側はできれば退職をと…やんわり告げらる。 幼馴染のレオが司法試験を受ければと勧めてくれ、そこから新たな道を目指そうとするひまりだったが。 家庭でも両親の支えでなんとかやっていたが、母が腰を痛め、父も転倒して…というなかヘルパー探しの指南をしてくれたのは脊損患者の先輩・安城であり、ロースクールでの介助から家での介助までをヒカルが助けてくれた。 普通でも司法試験が簡単ではないとわかってはいるが、鉛筆すら持てず、六法全書を開くこともできないなか、言葉だけでどうやって突破できるのだろうかと… 挫折からの挑戦を成し遂げたのはもちろん周りの協力もあってのことだろうが、ひまりの根性と努力と精神力の強さは本当に凄いと思った。 長編と感じられないくらいに没頭してしまう。 リハビリの過酷さや同じ悩みを抱える患者との苦悩や会社に復帰できない苛立ちと不満に落ち込み。 自分の身体であっても自由に動けないもどかしさや伝わらないことの苦痛。 新たな挑戦に向かうと高い壁や周囲の理解の無さなどなどさまざまな出来事がこれでもかとあるのだが、やり遂げた先に見えてくるものもあり、応援してくれる者もいる。 そこに留まることなどなく、自ら切り拓いていくことで未来はあるのだと感じた。 言葉の力は希望の光。 言葉がある限り、つながれる。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
突然の事故で、頸椎を損傷し首から下を自分で動かすことが困難になってしまったひまり。そんな状況におかれながらも、リハビリして回復し、弁護士を目指して勉強に励むなんて、あまりにも出来好きと感じた。きっと、うまくゆくのだろうなと察しがつくのに、読者に楽しく読ませるところは新川先生の素晴らしさである。また、こんなすごい人が実在していたことが、ストーリーの深みとなっていると思った。
Posted by
主人公が同年代なので、この状況下で同じような立ち位置になったらどうすることができるのだろうと常に考えてしまう。 障害を負うことになって、直視したくない感覚を敏感に感じ取ったり、自分の足で歩くことへの愛おしさを思えたり、視野が否が応でも変わってしまう。これまで当たり前にしていたこ...
主人公が同年代なので、この状況下で同じような立ち位置になったらどうすることができるのだろうと常に考えてしまう。 障害を負うことになって、直視したくない感覚を敏感に感じ取ったり、自分の足で歩くことへの愛おしさを思えたり、視野が否が応でも変わってしまう。これまで当たり前にしていたことができなくなる。 「太陽が高くのぼって、水面がガラス細工のようにきらびやかに輝いている。パシャンと飛び込んで泳ぐことは、この人生でもうできないんだなと思うと、急に、ぐっと悲しい気持ちになった」(p.83) そんな状況の中で「これ以上はリハビリをしても事故前のように元には戻らない」と絶望しつつも、司法試験を受けるまでに変化していく様子がしっかり描かれる。「安静は麻薬です」ということもわかるけれども、実践していくことがどれだけ難しいことか。そんなところも考えながら、途中から最後まで一気に引き込まれながら読んでしまった。ヒカルの少しずつの心境変化もまたよかった。
Posted by
主人公のひまりは、ある日事故に遭い、頚髄損傷により重度身障者となってしまう。復職するため過酷なリハビリを続けるが、厳しい現実を突きつけられ…。 今作を読み、作中にあるよう、重度の身障者が社会復帰をすることを特別のように感じていた自分が恥ずかしく思えました。 どこかで身障者になって...
主人公のひまりは、ある日事故に遭い、頚髄損傷により重度身障者となってしまう。復職するため過酷なリハビリを続けるが、厳しい現実を突きつけられ…。 今作を読み、作中にあるよう、重度の身障者が社会復帰をすることを特別のように感じていた自分が恥ずかしく思えました。 どこかで身障者になってしまうと、傷病手当や生活保護で生活するのが当たり前のように思っていた気がします。ひまりのように、誰かの手を借りなければ生活が出来ないからこそ、自分も誰かの役に立ちたいという思いが、尊厳なのだと気付かされました。 社会が少しでも変わることに自分も貢献していきたいと思える作品でした。
Posted by
理解をすることが難しい。誤解もたくさんしていると思う。この本を読んでいる間、ひまりさんが近くにいる友人のように感じてきた。友人だと思うと、もっと理解したいし、もっとできることを考えたい。距離を近づけてくれたこの本の存在に感謝。
Posted by
新川帆立さんの作品は法律に関する知識を学べるだけでなく、エンタメとしても仕上がっている印象を持っておりましたが、本作もまさにそのような作品だったなと感じました。 本作の主人公は商社で働く「ひまり」。彼女は商社で優秀な成績をおさめるキャリアウーマンであったが、ある日仕事帰りに事故...
新川帆立さんの作品は法律に関する知識を学べるだけでなく、エンタメとしても仕上がっている印象を持っておりましたが、本作もまさにそのような作品だったなと感じました。 本作の主人公は商社で働く「ひまり」。彼女は商社で優秀な成績をおさめるキャリアウーマンであったが、ある日仕事帰りに事故に巻き込まれてしまう。それにより四肢に麻痺が残り、商社を辞めることに。そして仕事探しに苦難するなか、友人から弁護士になることを勧められるという物語。 ストーリーからお察しできると思いますが、感動作です。主人公がいろいろな苦難を経る過程は辛いですが、前向きに生きる姿には、やはり励まされました。かなりボリュームのある作品ではありますが、新聞に掲載されていたためかチャプターが細かく分かれており、ストーリーもシンプルなのでとても読みやすい作品であると感じました。
Posted by
Posted by