青い絵本 の商品レビュー
たくさんの経験をして人生の終わりについて考えるようになった頃に読むとまた違う印象を持つのだろうなと感じた。若い人にはまだ早すぎた気がする。
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2024/11/01リクエスト 1 『じっと耐え、晴美の内側で煮詰めて冷凍した 解凍さえしなければ永久に出てくることはない』 さすが桜木紫乃だと思うフレーズ。他にも言葉のひとつひとつが吟味されているから何度も行きつ戻りつゆっくり読んだ。 最初の卒婚旅行、最後の青い絵本、が特に好き。本にまつわる人が出てくる、そして年老いたり病を持っていたり人生の終盤に向かう人。絵本という赤ちゃんから読めるものを死にゆく人にも、どの年代の人にも必要なときに手に取れる、人生のラストは本や絵と過ごしたいと思った。 とても美しい装丁でうれしくなる。いい読書時間を過ごせました。
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「卒婚旅行」 「なにもない一日」 「鍵key」 「いつもどおり」 「青い絵本」 絵本をモチーフに綴られた五話収録の短編集。 桜木作品に時に見られる激しさは鳴りを潜め、心地良い静けさを感じる作品だった。 「卒婚旅行」は『Seven Stories 星が流れた夜の車窓から』に収録...
「卒婚旅行」 「なにもない一日」 「鍵key」 「いつもどおり」 「青い絵本」 絵本をモチーフに綴られた五話収録の短編集。 桜木作品に時に見られる激しさは鳴りを潜め、心地良い静けさを感じる作品だった。 「卒婚旅行」は『Seven Stories 星が流れた夜の車窓から』に収録されていた「ほら、みて」を改題したもの。 再読になったが、離婚に怯える夫と卒婚を希望する妻の姿が生々しく情景が浮かび上がった。 表題作の「青い絵本」は、北海道支笏湖の碧、月の青、月に照らされる人達の青、さまざまな青を感じながら、静謐な世界観に浸った。
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それぞれのストーリーの中に思い出の絵本が出てきます。 本の題名の「青い絵本」は思い出となる絵本 青い絵本のエピソードに波します。
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〈作家、編集者、セラピスト、書店員――さまざまな形で絵本に関わる人々が、絵本を通じて過去と対話し再生する姿を、静謐な筆致で紡ぎ出す〉 タイトルが気に入りAmazonポチっと うーん、買うほどではなかったかな と思いかけていたところ 短編5話のラスト、表題の「青い絵本」が 心にじ...
〈作家、編集者、セラピスト、書店員――さまざまな形で絵本に関わる人々が、絵本を通じて過去と対話し再生する姿を、静謐な筆致で紡ぎ出す〉 タイトルが気に入りAmazonポチっと うーん、買うほどではなかったかな と思いかけていたところ 短編5話のラスト、表題の「青い絵本」が 心にじんわり沁みこみました 買ってよかった(笑) 〈この物語は、あなたの明日をやさしく照らす〉 帯のようにはいかないけれど ≪ 振り返り あれでよかった あの岐路は ≫
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p101 乗りたがる一行は危険で、それこそが余計だったりする。 なにが余計かー小夏の未練である p117 年を取るということは、言葉を得るということでもあるのだろう。 言葉で納得できるし、言葉になる。だからーー言葉にしないことも覚えたのだった。
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自分自身を切り刻み血まみれのまますさまじく美しい笑顔で前へ前へと進んでいくような女性を描く桜木紫乃の作品に少しなじめなさを感じていた。 そんなに自分を傷つけなくても、と、そんなに無理に頑張らなくても、と。 でも、そういう女性を描いてきた桜木紫乃だからこそ描けた優しく温かい物語なのだろう、これは。 深紅のイメージだった桜木作品が、こんなに透明で優しくて温かい青に染まるなんて。 5つの物語。5つの人生の岐路。夫との、姑との、息子との、編集者との、そして母との関係の、新しい一歩を踏み出すための分かれ道。 それぞれの物語が深く深く心にしみてくる。自分の物語じゃないのに、自分がそこにいるような気がする。 物語の中に、一冊ずつ絵本が登場する。読んだことのないその絵本が自分の本棚のすみっこに並んでいる気がする。 心が柔らかくほぐされていく。 優しくて温かくて透明ななにかが心にそっと触れていく。 あぁ、こういう物語が欲しかったんだ、と気付く。これは、自分の知らない自分の物語なのかもしれない。
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