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斎藤家の核弾頭 の商品レビュー

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2024/11/11

 首都圏大地震や出血性激症性感染症の大流行、経済混乱による物不足を受けて、家族主義を単位とする国家主義が復権し、国民能力別総分類制度、反体制派からは、「国家主義カースト制度」が導入された2075年の日本が舞台。30年近く前の作品なのに、物語のいたるところに、〈今〉を思わせて、読ん...

 首都圏大地震や出血性激症性感染症の大流行、経済混乱による物不足を受けて、家族主義を単位とする国家主義が復権し、国民能力別総分類制度、反体制派からは、「国家主義カースト制度」が導入された2075年の日本が舞台。30年近く前の作品なのに、物語のいたるところに、〈今〉を思わせて、読んでいてなんだかとても怖くなる作品です。  階級制度が敷かれた日本で、特A級の市民である最高裁の裁判官だった斎藤総一郎は職を追われ、国家からは家族共々、現在住んでいる場所の移転を命じられる。やがて移転先で目にする光景に総一郎は――。  ということで、後半は壮大な戦いの物語にもなっているのですが、特に魅力的だなと思ったのが、総一郎の覚悟や決意を周囲が必ずしも〈良いこと〉とは思ってはおらず、斎藤一家を含めた登場人物たちの様々な感情が入り乱れる状況がとても魅力的だなと思いました。

Posted byブクログ