私の最後の羊が死んだ の商品レビュー
羊飼いを夢見た河崎さんが、細い糸を手繰るようにその道に邁進して、自分の羊を手にしたパワーに圧倒されました。実家の酪農を手伝いながらも、美味しい羊肉を生産して販路を見つけ商売として羊飼いをしていた姿が面白く書かれています。それは、生半可ではできないことで、ほんとに好きなのだなあと思...
羊飼いを夢見た河崎さんが、細い糸を手繰るようにその道に邁進して、自分の羊を手にしたパワーに圧倒されました。実家の酪農を手伝いながらも、美味しい羊肉を生産して販路を見つけ商売として羊飼いをしていた姿が面白く書かれています。それは、生半可ではできないことで、ほんとに好きなのだなあと思えました。動物にかかわる食や医療、そのほかの様々な経験が、リアルに作品に現れているのだと納得です。 羊飼いを廃業して作家一本となったこれから、北海道の歴史にまつわるものや生き物とかかわるもの、そして畜産・酪農・農業など、河崎さんの目線にある作品を読めればと思いました。
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羊飼いと小説家の二足のわらじを履いていた河﨑さんが、羊飼いになろうと思ったきっかけから、肉体的にも精神的にも追い詰められて羊飼いを廃業する決断をするまでを振り返る回顧録。 文章のうまさは保証付きだし、家族や先輩に支えられて無事に羊飼いになるまでの顛末も楽しい。この人の作品には動物...
羊飼いと小説家の二足のわらじを履いていた河﨑さんが、羊飼いになろうと思ったきっかけから、肉体的にも精神的にも追い詰められて羊飼いを廃業する決断をするまでを振り返る回顧録。 文章のうまさは保証付きだし、家族や先輩に支えられて無事に羊飼いになるまでの顛末も楽しい。この人の作品には動物のリアルな解体シーンが登場するが、経験に裏打ちされたものであることがよくわかった。 骨太な作品は骨太な作者から生み出されていたのだった。
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