日本映画の「働き方改革」 の商品レビュー
筆者自身がおかれた労働環境の暴露的なスキャンダラスな要素はそれほど多くなく、予算規模の大きさで他のコンテンツメディアと一線を画する映画産業が持続的に成り立つために何が必要で、行政などの文化支援がどう形成されてきたかを他国との比較を通して一般の消費者側にも噛み砕くことができるように...
筆者自身がおかれた労働環境の暴露的なスキャンダラスな要素はそれほど多くなく、予算規模の大きさで他のコンテンツメディアと一線を画する映画産業が持続的に成り立つために何が必要で、行政などの文化支援がどう形成されてきたかを他国との比較を通して一般の消費者側にも噛み砕くことができるように説明が尽くされていた。 教養を掲げて映画を取り上げる書籍に比べると、個別の題材よりも映画というメディアを考察することに興味がある自分には向いていると感じられもした。「工場の出口」についてなど、映画研究の一端でしかないだろうが学びがある。
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日本の撮影現場の過酷さ、その状態が何故ここまで続いているのか?一方で海外の現場や国の施策はどうなのか、など知らないことばかりで、とても勉強になった。深田さんが実際に行っているメディアリテラシーについての授業内容も面白かったし、この本をこれから業界を目指す学生も是非読んだら良いと思う。私も学生時代にこういうこと、教えてほしかったなぁ... 「芸術に向かう個々人のモチベーションは千差万別でいい。私たちはただ、それらが千差万別のままでいられる環境を整備し、規制なく社会へと開かれること、それだけがただ結果として芸術の公共的価値を高め、民主主義の破綻を防ぎ成熟へと貢献させるのである」
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