オリーブの実るころ の商品レビュー
最近よく手にするようになった中島京子さん。この短編集は旅先に持っていくのもちょうど良い薄さです。 でも中身は人生のアレやこれやがありえない角度で詰まっていて読後感が爽やかにやるせなくゾワっとして心地よいのです。 1話の家猫から無茶良くって、それぞれの視点で見るといろんな事象が同時...
最近よく手にするようになった中島京子さん。この短編集は旅先に持っていくのもちょうど良い薄さです。 でも中身は人生のアレやこれやがありえない角度で詰まっていて読後感が爽やかにやるせなくゾワっとして心地よいのです。 1話の家猫から無茶良くって、それぞれの視点で見るといろんな事象が同時多発的に進行している平行宇宙にいるんだなあって事を感じることができるし、不一致の中で暮らしている不思議感覚が見事でした。 2話の老人の終活の話も印象的だし、茨木をドイツ語で直訳するとローゼンブルクって無駄にかっこよくなっちゃう。3話の兄妹は昭和50年代位の日常風景が浮かんできて楽しかったし、4話の白鳥の話は最高に面白かったです。5話の大恋愛の話も、6話の結婚報告に行く話も斬新で素敵でした。 すごいと思えるところは新しい言葉や親子関係や勤務形態にも敏感で作品に取り入れているところ。結婚に対する価値観もいろいろ変化してるし目から鱗って感じでした。 この作品は絶賛推しの1冊になりました。
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結婚、家族にまつわる6つの物語。 家族って他人と簡単に言ってしまえるほど遠い存在でもなく、よく考えると難しい関係だよなと思った。 距離感って難しい。 幸せの形は人それぞれ。
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