西洋絵画のお約束 カラー版 の商品レビュー
タイトル通り、西洋絵画のお約束について解説したくれているもの。「百合は純潔」「蛇は知識や邪悪」などの、よく知られているものの他に、果物や花、女神、皿の有無など、いろいろなメッセージが込められている。確かに、これらを押さえておくことで、絵画鑑賞がずっと楽しくなりそう。
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アトリビュート解説本として非常に面白い 絵画を交えてこの持ち物はうんたらかんたらで、、と解説することにより絵画を見る教養を自然につけてくれるような本 絵画を見て語る時には途方もない量の知識をつけないといけないと思うが、この本を読むことにより「語り」のための第一歩として進み出している!!!と思っている、知識を獲得したことが良い結果として残った 中野京子だから読みやすい!面白い!という個人的な好みから来る感想だが流石の文章力でするする流れる川のように読めてどんどん知識吸収できたような気分になった、これが全能感である
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年2回毛が抜け替わるテン。白の時は貞淑を示すが、黒になると娼婦と共に描かれる。赤と青の使いわけ。受難と神の愛を現す赤、天上の真実と永遠を示す青。物の配置にもわけがある。よきものは右、左はろくでもないものと極端に意味づけされる。リンゴはエロスと結びつき、月桂樹は勝利や名声のシンボル...
年2回毛が抜け替わるテン。白の時は貞淑を示すが、黒になると娼婦と共に描かれる。赤と青の使いわけ。受難と神の愛を現す赤、天上の真実と永遠を示す青。物の配置にもわけがある。よきものは右、左はろくでもないものと極端に意味づけされる。リンゴはエロスと結びつき、月桂樹は勝利や名声のシンボルになり、流れる川は時や人生に喩えられる…未知の外国語を示されて、感覚だけで意味を解釈するなどできない。文章に文法があるように、絵にも約束事がある。見た目の印象だけで鑑賞してはいけない。感性を発揮するのは、意味を読み解いた後でよい。
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配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。 https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=10281509
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いやー面白かった! “西洋絵画のお約束 50” 百合、月桂樹、黒猫、大鎌,天秤など 意味することは もう大体知っているのもあれば、白てん、黒てん、左と右、赤と青,シャボン玉、リュート、などなど 今まで目にしてきたが 何も思わず楽しんできた絵画の多かったこと!読み応えありました!
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西洋絵画を読み解くための「絵の言語」を教えてくれる絵画エッセイ。 西洋絵画に描かれた美女。そばに薔薇が描かれているなら、その美女は女神ヴィーナス。三日月のモチーフがあればアルテミス。剣を携えるのはユーディト、皿を捧げるのはサロメ。 神々のシンボルや静物に込められた暗喩を知るのが単...
西洋絵画を読み解くための「絵の言語」を教えてくれる絵画エッセイ。 西洋絵画に描かれた美女。そばに薔薇が描かれているなら、その美女は女神ヴィーナス。三日月のモチーフがあればアルテミス。剣を携えるのはユーディト、皿を捧げるのはサロメ。 神々のシンボルや静物に込められた暗喩を知るのが単純に楽しいだけでなく、「見る」だけだった作品を「鑑賞」できるようになるので満足度が高い。 例えば、表紙は「壊れた甕」という作品だが、本書で絵画の文法を学べば、少女がなぜ甕を抱えているのか理解できるようになる。 美術館に行きたい!画集が欲しい!と思う一冊。
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西洋絵画に描かれているモチーフの解説書。 動植物やアクセサリー、武具、ポーズなどを駆使し、画家が作品の意味や狙いをどのように表現しようとしているかを学べた。 本書を片手に美術館に入れば、絵画鑑賞がもっと楽しくなりそうだ。
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楽しく読みました。 最近美術展に行っていますないので、また行きたいです。「怖い絵展」のような心躍る企画がまたあったらいいなと思ってます。
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目次 【「植物」の章 】薔薇/百合/リンゴ/月桂樹/イトスギ 【「天体・自然」の章】月/虹/川 【「動物・虫」の章】黒猫/テン/牡牛/蛇/ハエ/蝶 【「食べ物」の章】卵/蜂蜜/魚 【「相反する要素」の章】赤と青/右と左/分かれ道 【「武具」の章】剣/大鎌/矢/ハンマー 【「道具・...
目次 【「植物」の章 】薔薇/百合/リンゴ/月桂樹/イトスギ 【「天体・自然」の章】月/虹/川 【「動物・虫」の章】黒猫/テン/牡牛/蛇/ハエ/蝶 【「食べ物」の章】卵/蜂蜜/魚 【「相反する要素」の章】赤と青/右と左/分かれ道 【「武具」の章】剣/大鎌/矢/ハンマー 【「道具・装飾品・楽器」の章】天秤/十字架/鏡/甕/子供服/真珠/リュート/シャボン玉 【「建物」の章】窓/梯/井戸 【「技法」の章】擬人像/画中画/異時同図法/タイムスリップ 【「現象」の章】パンデミック/天を仰ぐ/運命 【「人物描写」の章】道化/三美神/聖母マリア 【「身体」の章】母乳/骸骨/髪/翼/目隠し 知識があったほうが楽しいと思うのだが、なかなか覚えられない。
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===== 日本の美術教育の多くは、(中略)西洋の画家たち丁寧に積み上げてきた芸術作品、つまり「意味のある絵」を、一面的な感覚の楽しみだけで判断することになってしまう。 文章に文法があるように、絵画にも「絵画の文法」がある。ただし絵画の場合、文法を知らなくとも見ればわかった気になるのが問題だ。 ===== という文がしっくりくる一冊。中野京子さんの本を読みまくっていると重複している作品も出てくるが、まだまだ知らない作品も多く面白い。 個人的に面白かった箇所。 ===== 興味深いことに、ドイツ語圏ではほかのヨーロッパ諸国と異なり、月を「男性」として扱うことがある。(中略)実はこれ、日本と同じ。(中略)ドイツと日本がなんとなく気が合うのはそのせい? ===== ゴッホ最晩年の『ドービニーの庭』には、芝生を横切る黒猫が前景に描かれていた。ところが本人の死後、別の画家によって猫は塗りつぶされてしまう。作品が売れるようにとの配慮だったといわれており、それはすなわち、明るい風景画に黒猫では凶事を予感させるからにほかなるまい。(←とんでもないことすんなw) ===== こんな汚らわしい害虫(※ハエ)を、なぜわざわざ聖画に描き込むのか?(中略)あらかじめ画中に描き込むことで、現実のハエを近寄らせないという、まじないめいた習慣だと言われる。 ===== キリスト教では、墓から復活したイエスが卵の殻を破って出てくる雛に喩えられる。春の到来を祝うイースター(復活祭)で、彩色された卵が出されるのはそのため。(←そうだったのか!) ===== あと「甕」の解説で出てきたグルーズの『壊れた甕』の絵がすごく美しいなと思ったんだけど、解説を読んだら怖すぎた。
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