ことばと心身 の商品レビュー

辻幸夫(編者),菅井三実(編者),佐治伸郎(編者)

2024/09/30

7章　楠見孝・平知宏「ことばと思考」執筆しました。
本章では，思考を中央システムにおける心的表象の変換と捉え，言語とイメージにより構成される心的表象について述べる。そして，言語と思考に関わる4つのトピックについて概観する。第1に，言語が支える推論として，演繹的推論における言語表現を手がかりにした誤りや，帰納的推論におけるカテゴリーとの関わりについて解説する。さらに，柔軟で創造的な思考に関わる類推について，メタファの土台となることも含めて述べる。第2に，思考と言語理解を支える概念の構造や機能について解説する。第3に，概念の比喩的拡張とそれを支えるイメージ的表象について述べる。そして，最後に，言語を通しての理解において，論理的で偏りのない判断をするための批判的思考について検討する。