面白くない話事典 の商品レビュー
面白くない話が詰まっているんだから、面白い訳が無かった。0に何を掛けても0なように、面白くない話は、幾らかき集めても面白くない,に決まってた。 分かってた、ちょっと期待して読んでみた自分が馬鹿だった。 あまりにつまんないので、途中で脱落しちゃいました。 すんません。
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街のどこかで繰り広げられる面白くない話を集めた事典。本人たちは面白いのかもしれないが他人からすれば全然面白くないしムカムカしてくる。登場するのは多くが20代。いつか彼らには自分の面白くない話を反省する時が来るのだろうか…?
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自称「面白くない話マニア」の著者が、日常生活の中で耳にした市井の人たちの日常会話のから蒐集した「面白くない話」をまとめて寸評を加えた本。 具体的に「面白くない話」とはどのようなものか。本から一部引用してみると > いや~オレ、前さ、『言の葉の庭』の舞台になった公園行って...
自称「面白くない話マニア」の著者が、日常生活の中で耳にした市井の人たちの日常会話のから蒐集した「面白くない話」をまとめて寸評を加えた本。 具体的に「面白くない話」とはどのようなものか。本から一部引用してみると > いや~オレ、前さ、『言の葉の庭』の舞台になった公園行ってさ。あそこって実際のほうがさ~(うんたらかんたら)・・・・・んで、何かオレも書きたくなっちゃったよね(笑)。読みたいよりも書きたいが先に来るっていうか(笑)。 > 何も書いたことないのに、よ?(笑) とまぁ、このような感じのタイトルに偽りのない面白みのない話が147編収録されている。 「面白くない話」を集めた本だから何一つ面白くないのだが、この本の一番の特徴というか、おそらく読んだ人の多くが感じるであろう感想は、著者が一番面白くないということである。 収録された「面白くない話」一つ一つに著者が、その話のどこが面白くないのか寸評がつくのだがこれが本編の「面白くない話」より本当に面白くない。スベった話を弄ってさらにスベるという二次災害に読者は147回も付き合わされることになる。それは苦痛というほどではないが本当に面白くない。 しかし、この著者の「おもんなさ」が本当に面白くないのか、それとも装われた面白くなさなのか判断が難しい。 例えば、「はじめに」で天丼される「私は生まれてこの方、『性格良いね』と言われたことはありません」のフレーズや、各寸評に付される五段階評価の「面白くないレベル」、さらには寸評の中で「笑いを点数化している時点で、『もうオレ達は世間の人と面白さで一線画している』」意識なのかもしれない」と話者を揶揄した直後に「面白くないレベル」で「笑いを点数化」など、この本で取り上げられているような「面白くない話」をする奴の完全な典型を地でいっており、それがあまりに完璧すぎるのでフェイクの可能性が感じてしまう。 つまり、これは単に「面白くない話」を集めた本ではなく、「『面白くない話』を集めてるオレって面白いでしょ。」という古のサブカル的な価値観や面白がりかたがどうしようもなく面白くないよね。というメタ構造。さらにいえば、それを喜んで読んでる読者もまた面白くない奴なのだという、面白くなさの連鎖を読者に突きつける本なのかもしれない。 とはいえ、これが単に面白くないだけの本かというとそうではなく、ここに集められた「面白く話」は現代日本における普通の人達の日常会話の記録として貴重である。民俗学でいう「世間話」の範疇にはいる話だと思うが、ここに記録されている話は語り手が採集者に向けた語ったものではなく、記録されること残されることを想定していない当事者間の中に閉じた会話であり、本来であれば記録され残されることのない会話であるということ。まぁ、盗み聞きな点で学問としては倫理的にどうなんだという問題はあるかもしれないが・・・ あと、普通の人達が日常会話の中で何故面白い話をしようとするのかという点も一考の余地があるように思える。客観的なデータがある訳ではないが、以前に比べて日常会話に「面白さ」を求める傾向(或いは、面白くない奴と思われたくないという傾向)が強くなっているような気がする。
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