主君と旅する幾つかの心得(1) の商品レビュー
『男爵にふさわしい銀河旅行』を彷彿とさせる凸凹主従一行による珍道中、ふたたび。 銀河いちのヴィンテージ計算娘こと〈ランパチカ〉が引き続いて登場こそするものの、『男爵〜』と時系列的な繋がりがあるのかどうかは明言されていない。見比べたらランパチカの胴体部の意匠が微妙に違うので、『男...
『男爵にふさわしい銀河旅行』を彷彿とさせる凸凹主従一行による珍道中、ふたたび。 銀河いちのヴィンテージ計算娘こと〈ランパチカ〉が引き続いて登場こそするものの、『男爵〜』と時系列的な繋がりがあるのかどうかは明言されていない。見比べたらランパチカの胴体部の意匠が微妙に違うので、『男爵〜』からみて何年か何世紀単位かはわからないがその後を描いた作品かもしれないし、パラレル世界の話かもしれないし、計算娘は量産型で『男爵〜』と同じ時間軸だけど遠く離れた銀河での出来事を描いた作品かもしれないし、そこは想像するしかない。 本作主人公〈メルガレッタ男爵〉の髪の色から思うに、前作主人公〈ミハルコ男爵〉と〈ノンシャラン〉の子孫ではなかろうか?という気がするのだがどうだろうか。常に眠たげな目元にノンシャランの面影があるし、前髪や耳の感じ、時折見せる正義感や騎士らしい性格はミハルコそっくり。得物「フリントロックブラスター」(p37)も見た目似てる気がする。けど兄妹達は全然似てないんだよなあ。 今作でギョッとしたのはカバン従者〈アルク〉の存在。カバン持ちではなくて、人型のカバンなのである。腹部に異次元ポケット的な空洞があり、そこに荷物を収納する。「惑星イミテーショニアで培養された」(p33)という出自もそうだし、謎のカプセルの中で液体に浮かんでいるカバン達の場面は完全なホラー。 という、一人と一体と一個による旅がまた幕を開ける。 この巻では《第3話 旅行けば学修まるか?》の話が主従三様に活躍を見せており、メルガレッタの熱血教師ぶりやランパチカの電脳戦、アルクの謎の大冒険、と盛り沢山。《番外編 入ろうかコインロッカー》も凝ったあらすじで好き。ランパチカの「ぬきあし」(p177)がかわいい。 1刷 2024.11.4
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やったぜ、螺旋人の新刊。前作「男爵にふさわしい銀河旅行」の緩い続編。 設定各種が一新されてて、甲冑カッコイイ。 新しい男爵様、カッコイイ。テンポ感が、軽くて気持ちいい。
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