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女らしさの神話(上) の商品レビュー

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2024/09/26

最近出たばっかりなんだ!1963年のアメリカで出版され、フェミニズム運動高揚のきっかけになったと紹介されているけど、50年経った今読んでも悲しいことに(敢えて言うが)色褪せない。 以前付き合っていた人があまり家事をしない人で、大学ではフェミニズムをやっているのに、何で現実の生活で...

最近出たばっかりなんだ!1963年のアメリカで出版され、フェミニズム運動高揚のきっかけになったと紹介されているけど、50年経った今読んでも悲しいことに(敢えて言うが)色褪せない。 以前付き合っていた人があまり家事をしない人で、大学ではフェミニズムをやっているのに、何で現実の生活では相手に上手く伝えられないのかと不安になり、これが分裂という感覚かと悟った時期があったのだが、60年代のアメリカの主婦達も似た類というかまったく問題を抱えていたらしい。 カレッジにおける教育、フロイトの述べたペニス羨望、似非科学であった機能主義、さらには家庭製品を売り出す広告会社までもが、「女らしさ」という神話を強化してきた。「賢いのは女の子にとって利口ではない」という言葉で言い表されるように、女の子はほどほどに賢ければよく、カレッジも結婚相手を見つける場所でしかなかった。 こうして自己実現を逃した女性達が、神経症的な傾向を見せるようになり、子どもが愛着障害のような症状を示すようになると、人々はこぞって「ママ」のせいにした。しかしそこにかけていたのは、愛ではなく、尊敬ではないだろうか。 すべてをアイデンティティの確立で解決しようとするスタンスは勿論批判すべきではあるのだが、がこの本と全く同じ問題意識に基づいて書かれた「母親になって後悔してる」が日本でもそこそこ話題になったことに鑑みても、今読まれるべき本ではないだろうか。人生の奪われの感覚という様々な時代や場所に共通した女性の悩みが生じる原因は文化的背景によりまちまちで、これこそが生物学的必然を唱え女性を抑圧する人々へ対抗する論拠となりうるだろう。

Posted byブクログ

2024/09/30

 1950年代から60年代にかけ、郊外に住み、夫と子ども、そして家庭のことだけを考えていれば良い生活、それは若いアメリカ女性の夢見るイメージであった。しかし、著者はあるころから、アメリカの女性が共通して”名前のない問題”を抱えていることに気づいたという。「何だか空っぽな気がするの...

 1950年代から60年代にかけ、郊外に住み、夫と子ども、そして家庭のことだけを考えていれば良い生活、それは若いアメリカ女性の夢見るイメージであった。しかし、著者はあるころから、アメリカの女性が共通して”名前のない問題”を抱えていることに気づいたという。「何だか空っぽな気がするの」「自分が存在しないような気がする」といった言葉が主婦の女たちから出てくる。  「職業:主婦」、早く結婚して夫を持ち子どもを育てる、妻であり母であることが女の幸せであるとする「女らしさの神話」に、いつの間にアメリカの女たちは捕らわれてしまったのか、著者はそうした意識の起源や変化の過程を追いかけていく。   具体的には、アイデンティティの問題、フロイトの性的唯我論、機能主義的フリーズの役割を果たしたマーガレット・ミード、女子にキャリアを求めない性別指向の教育者たち、主婦へ売り込まれる商品について等々、女性に特定の性別役割分担を求める社会的、心理的、文化的メカニズムが様々な角度から論じられる。  日本でも高度成長時代、専業主婦が当たり前の時代があったが、アメリカでも同じような状況だったことを本書を読んで知ることができた。統計で明確に示されてはいないが、大学時代から結婚相手を見つけることが女子学生の目的となっており、10代で結婚し、そして子どもを大勢産むのが当たり前だったとのこと。今ではとても考え難いが、それが当然とされていた時代だったのであり、社会の”空気”だったのだな。

Posted byブクログ

2024/08/12

版元ドットコム (上巻) https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784003423417 ※旧訳『新しい女性の創造』で割愛された部分、注などをすべて完訳。 出版社(岩波書店) https://www.iwanami.co.jp/book/b6507...

版元ドットコム (上巻) https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784003423417 ※旧訳『新しい女性の創造』で割愛された部分、注などをすべて完訳。 出版社(岩波書店) https://www.iwanami.co.jp/book/b650785.html

Posted byブクログ