古代史サイエンス(2) の商品レビュー

金澤正由樹(著者)

2025/01/18

日本列島には3方向から(対馬ルート3万8000年前、沖縄ルート3万5000-3万年前、北海道ルート2万5000年前)
約2万年前に氷河期が終了、日本列島は大陸から分断。
朝鮮半島は2万年前から7000年前までほぼ無人。
7300年前に鬼界カルデラの破局的大噴火。南部九州の縄文人は壊滅、日本列島から朝鮮半島沿岸へ避難・移住。
朝鮮半島南部古代人のDNAは同時代の縄文人や弥生人と酷似。朝鮮半島の隆起文土器は縄文土器。
新羅本紀の287,289,393,405,346,364,431年に倭人、倭軍、倭兵の記述。
287年位前はほとんどが倭人の記述が、289年以降はほとんど倭軍、倭兵と変わる。
3世紀後半から日本に強力な統一国家が誕生していた。
縄文人の人骨2576体のうち殺人による死亡は23体、0.9%、弥生時代の人骨3298体のうち殺人による死亡は100体、3%となる。
古代中国では人骨361体のうち殺人による死亡は31体、8.6%。
世界的には古代中国の数値も低い方、一部のネイティブアメリカンと同等。
出雲の因幡国、青谷上寺地遺跡は約2200年前から集落がつくられ1700年前の古墳時代前期に衰退するまでの500年間栄えていた。
出雲地方の古墳はこのタイミングで方墳から前方後方墳、前方後円墳へと変わる。
三国史記、新羅本紀には173年倭王卑弥呼が新羅に遣使とある。
紀元前10世紀の水田跡が発見された菜畑遺跡は、縄文時代前期から弥生中期まで続いた遺跡。最初の水田は田植えでなく直播きで規模も小さい。
水田稲作技術は250年ほど北部九州のみで、約700年かけて日本列島を東進し2400年前に東北地方と関東地方に到達。
水田稲作がはじまったのは人口が急減した縄文晩期、新たな食料確保を試みた結果、最初に成功した菜畑遺跡から徐々に周辺に普及した可能性。
挑戦で発見された水田稲作にともなって出現する環壕集落の数は日本の1/10程度で規模も小さく、日本に近い南岸に集中している。
縄文人の九州南部特有の連結土坑は東海から関東にかけて、丸ノミ石斧は高知・和歌山・八丈島で発見されている。
邪馬台国の北部九州説と近畿説。長理の1/10の単里を採用、人口も実数の1/10。福岡県みやま市？
橿原と伊勢神宮の緯度はほぼ同じ。橿原宮の真東=日の出の場所。
応神天皇の誕生地の福岡県宇美町と宇佐神宮の緯度はほぼ同じ。
173年倭王卑弥呼が即位したと新羅に通達、公孫氏(189-238)にも使いを送るが、234年五丈原で諸葛亮が病没、帯方郡が魏になったので238年に朝貢。
266年(泰始2年)の朝貢は台与と断定することはできない、そうでない可能性が高い。
364年百済の使者、卓淳国に至る。
366年、ヤマト王権、使者・斯摩宿禰を卓淳国に派遣。百済との接触。百済王、五色の絹や鉄テイを贈る。
367年、百済、新羅の使節が倭国にくる。
369年、ヤマト王権、朝鮮半島南部に出兵。
372年、百済、七支刀をヤマト王権に贈る。
八咫鏡＝九州王権の象徴、草薙剣＝出雲王権の象徴、八尺瓊勾玉＝大和朝廷の象徴。
天武天皇の体制強化、伊勢神宮の式年遷宮、宇佐神宮の創建、日本書紀の編纂、天皇号の使用、国号を倭から日本へ。
唐滅亡後は院政、常備軍を廃止、治安が悪化し自衛のため武装、武士の台頭、承久の乱、南北朝、応仁の乱、大嘗祭の中止。
弥生時代60万の人口が古墳時代には540万。
邪馬台国＝九州王権の伝統的な墳墓は円墳、出雲王権は方墳、大和朝廷は前方後円墳。
縄文人と弥生人でゲノム解析でDNAが違うのは、農業の開始、感染症による淘汰圧の影響などにより変化した結果かもしれない。弥生人が縄文人の直系の子孫。