あなたに会える杜のごはん屋 の商品レビュー
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亡くなった人との思い出の料理を振る舞ってくれる一日一名完全予約制のお店。 その料理を食べると本当に亡くなった方に再会できる。 のだが、食べ終わるとその記憶はなくなってしまう……ただ心は軽くなるという。 そんな不思議なごはん屋さんでの物語。 最初は突然亡くなった父とのこと、事故で別れてしまった娘とのことなど、ともすれば共感しやすい、身近にあり得そうな話だったが、後半はヘビーな展開に。 前述した決まりも該当しないケースも出てくるし。 様々なパターンが描かれるのでマンネリ化はしなかったが、亡くなった方が抱えたものが重くなっていく。 ホストに陥れられて亡くなった女性。 犯罪行為を強要された挙句、過労死してしまった男性。 そして何より、恋人の裏切りを知った直後に事故死した女性。 この彼女の話がしんどかった。 彼女の恋人を寝とった女性は本気でこの先も苦しんでいただきたい。 最後には、ごはん屋の料理人自身の話にも波及。 彼もまた重い過去を背負った人だった。 最後まで重い話で、あらすじにあるハートフルストーリーを感じる前にちょっと心折れそうになった。 ラストはまさかの人の登場で、それにはちょっと救われた気になった。 ただあれだけではなかなかこれまでのヘビー展開を相殺はできないなと個人的には思った。 わたしにも癒しが欲しい。
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シリーズ物かと思いましたが、あっさり終わった感じ。 結構ドロドロした話も。 悲しみに寄り添い、心を解放するハートフルストーリー…か? うーん… 最後の1行には、お?となりました〜(笑) この方はどういう終わり方だっけ?と、該当ページに戻っちゃいました
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突然亡くしてしまった人との思い出の料理。食を通て思い出すことが出来る(思い出すというか会うことが出来る)不思議なご飯屋さん。盛りの奥深く誰も訪れることがない場所に行くって言うのがまたいい感じですね。文章も読み心地が良かったです。
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短編なので…サクッと。 サクッとの割に…後悔が残る別れ方だけど… うーん。 とりあえず。 心の中で話しかける。のは なんとなく心のバランスを取るのに有効だな 仏教的な考えがチラホラと。
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亡くなった人にもう一度会えるレストラン。 簡単にまとめてしまうと、こうだ。 しかし、シェフである天国さんが料理を作るこのレストランは一味違うのである。 どのお話に出てくる人物たちも 心が引き裂かれるような苦しい経験をして 大切な人と別れることになってしまう。 その後悔を料理を通じて成仏させることができる。 そして、生者の特権である「明日」に向かっていくことができるのだ。 シェフの天国さんがどうしてこのレストランを 開くことなったのか、 このレストランはいつまでも続いていくのか。 最後まで読み終えて、号泣した。
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Amazonの紹介より 杜の中にひっそりと建つ一軒家レストラン「あなたに会える、ごはん屋」。メディアなどにひっぱりだこで人気シェフだった天国繁は三年前に突然店を閉め姿を消していた。 そんな天国がオープンしたのがこの店だった。一日一名限定、大切な人との思い出の料理を提供します――。...
Amazonの紹介より 杜の中にひっそりと建つ一軒家レストラン「あなたに会える、ごはん屋」。メディアなどにひっぱりだこで人気シェフだった天国繁は三年前に突然店を閉め姿を消していた。 そんな天国がオープンしたのがこの店だった。一日一名限定、大切な人との思い出の料理を提供します――。訪れた客は二度と会えなくなった人と不思議な時間を過ごすことに。 和解できぬまま父を亡くした娘、突如娘を失ったシングルマザー、忘れられない客との思い出を抱える元ホスト、同僚が過労死してしまった営業マン。 そして天国の使命と隠された過去も明らかに……。 全6話で、各話ごとに予約された客にスポットを当てて、亡くなった人との思い出の料理を提供してくれます。 どのレシピも、シェフが何で知ってるの?と思うくらい、誰にも教えたことのない隠し味も再現されているので、どういうこと⁉と思いました。 読み進めると、そこには秘密が。不思議な「再会」が待ち受けます。感動の場面にグッときてしまいました。 まさか、料理を食すだけでなく、「再会」もあるとは驚きでした。 これで感動の結末かと思いきや、その後には新たな驚きが・・。感動だけでなく、そもそもシェフの秘密が気になるばかりでした。 前半では序盤ということで感動を前面に出していたのですが、回を重ねるごとにダークな部分が強調していきます。 亡くなった人との「再会」ということで、どのエピソードも、どのように亡くなったのか描かれています。 突然の死に受け止めることができない生者の人達。後半になるにつれて、「後悔」の度合いが強くなっていくので、心が痛くなるばかりでした。 ちなみに最終話はシェフの物語です。なぜごはん屋を開くことになったのか?そこからは壮絶な人生があるのですが、なかなかのディープさ、そしてごはん屋を続けることの意味に良い人生を送ってほしいと思いました。 色んな感動や複雑な思いがあった分、ラストは温かい気持ちになり、晴れ渡った気持ちにもなりました。 あの人が再び登場するので、ちょっとした驚きと応援したくなる気持ちになりました。 思い出の料理は、どれもシンプルで素朴な料理。でも本人にとっては大切な記憶。苦いエピソードの数々でしたが、「再会」することによって、本音で語り合う場面にグッと感動が増して、良かったです。
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