「アイドルの国」の性暴力 増補版 の商品レビュー
独身未婚中年男性の自分が読んでみました。 増補版になってジャニーズ問題が加えられたのでそれが読みたくて手に取りました。 星3つなのは、社会学的な考察かと思ったら文学的な考察だったので、ただ単に自分が勘違いして肩すかしを食らってその評価にしただけなので、論考としては星5つで問題ない...
独身未婚中年男性の自分が読んでみました。 増補版になってジャニーズ問題が加えられたのでそれが読みたくて手に取りました。 星3つなのは、社会学的な考察かと思ったら文学的な考察だったので、ただ単に自分が勘違いして肩すかしを食らってその評価にしただけなので、論考としては星5つで問題ないと思いました。 自分はゲイ寄りのアロマンティック(アセクシャルではない)ですが、ジャニーズはそもそも好みではないのであまり気にしていませんでした。(どちらかというと、ややステレオタイプですがわかりやすくラグビー選手みたいな人が好み、アイドルでは後発の韓国アイドルのほうが好み。でも今回の事件で知ったカウアンさんは好みでした) ただ、ジャニーズでそういうことがあるというのは北さんの本で知っていたのですが、それを「ああ、ジャニーズだからありそうだよね」と思っていたという意味では、自分もジャニー氏と共犯で被害者を傷つけていたのかもしれないと思い、ちょっと罪悪感にさいなまれました。 近年やっと、男性学の田中俊之先生などが「今まで男性の裸が雑に扱われてきた」という主張などをしてくださるようになりましたが、まさにそういった穴を突いて行われた性加害だったと思われてなりません。 また、ジャニー氏が所属タレントを見つめる視線と、ファン(性別は問わない)がタレントを見つめる視線が一致していたという点をずっと感じていて、かなり怖ろしい共犯関係にあるような気がしました。 今回、被害者男性の中には奥様がいらっしゃる方もいるようで、被害の傷は消えないけど、それを一緒に乗り越えようとしてくれるパートナーがいらっしゃるのは羨ましくもあり、せめてもの救いだと思いました。 決して、「私は関係ない」という世界の話ではないのだろうな、と思いました。間接的にでも、自分が搾取に加担しないように、普段から気をつけねばならないと、再確認させられる思いでした。
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