仏教者の戦争責任 の商品レビュー
こうして文庫本の形にならなければ、おそらく手に取ることのなかった本だと思う。著者は、明治35年岐阜県の臨済宗寺院に生まれ、敗戦後、仏教者の戦争責任について真摯に考え、追及し続けてきた禅研究者として知られる人物とのこと。 著者個人が自らの聖戦体験の経路を概観した「挫折と転向」...
こうして文庫本の形にならなければ、おそらく手に取ることのなかった本だと思う。著者は、明治35年岐阜県の臨済宗寺院に生まれ、敗戦後、仏教者の戦争責任について真摯に考え、追及し続けてきた禅研究者として知られる人物とのこと。 著者個人が自らの聖戦体験の経路を概観した「挫折と転向」では、自分が臆病であったこと、死ぬのが恐かったことを正直に語っていて、この人は信頼できると思った。 第Ⅲ部に収録されている「倉田百三論」「西田幾多郎論」は、彼らがどうして国体賛美に陥っていったのかを論じたものであるが、正直良く理解できなかった。 仏教の教義をほとんど知らないため、各論考を読んでいても、そこで引用される言葉の意味や内容に分からないことが多かったが、きな臭くなってきている昨今、国家の求めるもの、就中戦争に対して、宗教はいかに対処すべきなのか、改めて考える良い機会となった。
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