常夏荘物語 の商品レビュー
伊吹有喜さんの作品はほぼ読んでいる。 「なでし子物語」シリーズは 最初の一冊を読んだのみ。 読み始めは人物相関図を参考に その人たちがどう生きてきたかを思う。 (一作目の内容を忘れてしまったので) P186 「いつだって前を見て」 「顔を上げて、生きるのよ」 耀子の言葉。 ...
伊吹有喜さんの作品はほぼ読んでいる。 「なでし子物語」シリーズは 最初の一冊を読んだのみ。 読み始めは人物相関図を参考に その人たちがどう生きてきたかを思う。 (一作目の内容を忘れてしまったので) P186 「いつだって前を見て」 「顔を上げて、生きるのよ」 耀子の言葉。 P377 「花のように生きる」 常夏荘の女性たちはしなやかだ。 自分の足で立ち自立している。 夢中で読んだ。 勇気をもらえる一冊だった。 いま、『なでし子物語』を再読している。 シリーズの前作を読み『常夏荘物語』へ帰ってくるつもりだ。
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Amazonの紹介より 遠州峰生の名家・遠藤家の邸宅として親しまれた常夏荘。10歳の時にこの屋敷に引き取られた耀子は、寂しい境遇にあっても周囲の人々の優しさに支えられて子ども時代を生き抜いてきた。 時を経て38歳になった耀子は、ある日、夫の龍治から突然離婚を切り出される。その思い...
Amazonの紹介より 遠州峰生の名家・遠藤家の邸宅として親しまれた常夏荘。10歳の時にこの屋敷に引き取られた耀子は、寂しい境遇にあっても周囲の人々の優しさに支えられて子ども時代を生き抜いてきた。 時を経て38歳になった耀子は、ある日、夫の龍治から突然離婚を切り出される。その思いもよらない理由に耀子は驚くが、それを機に自分にとって本当に大事な人が誰だったのか、思いを巡らし始める―。 耀子の葛藤、娘・瀬里の巣立ち、義母・照子の愛。 激動の時代に遠藤家の三代の女たちが守り抜いた家と暮らしは、峰生に暮らす人々にとってもかけがえのない居場所になっていく。 伊吹有喜デビュー15周年記念作品。 この作品、シリーズ本だそうで、「なでし子」シリーズの最新作ということを読了後に知りました。 他のシリーズを読んだことがないので、ここに至るまでのそれぞれの登場人物の背景を知らなかった分、ちょっと惜しいことをしてしまったなと思いました。 それまでの人生の深みを味わいたかったなと思いました。 なので、ここから初参加ということで読みましたので、もしかしたら解釈が違うかもしれないので、ご了承を。 冒頭では、瀬里が浪人生で勉強に励んでいるかと思いきや、アルバイトに勤しんでいるところから始まります。 母の心配や親戚の立海が駆けつけたりと家柄ならではの手厚いサポートが窺えました。 なにぶん、冒頭にある家系図が遠藤家しかないので、その他の登場人物との関係性がわからなく、ちょっと混乱する所もありました。読んでいて思ったのは、峰生に暮らす人々の優しさや温かさが滲み出ていました。どんな困難な状況にあろうとも、周りのサポートがあって築きあげてきたんだなと窺えました。 題名が「常夏荘物語」ということで、それまでの歴史を語るかと思いきや、これからの数奇な運命を描いています。 耀子の夫の秘密や守り抜いた「家」の運命など色んな出来事が待ち受けるのですが、なんとも複雑な気持ちになりました。 一方では切ないし、一方ではどう心の処理をすればいいのか、一方では心配など色んな視点で見ると、色んな解釈ができるため、なかなか一言では言い表せない状況に、どう前へ向くのか注目でした。 特に瀬里と父親との関係性が印象的でした。周りは父親の秘密を知っているのですが、瀬里はその秘密を知りません。わかった後の瀬里の心情は、意外とあっけなさを感じつつ、清々しさを感じました。 あとはなんといっても、耀子の「これから」が印象的でした。それまでの背景を知らなかった分、立海との関係性は親密というのはわかったのですが、最後の展開は印象的でした。シリーズを知っている人には感動ものかと思います。 遠藤家としては、ある出来事を機に、人生が狂っていくのですが、祖母として、母として、娘として、三世代の「これから」に期待したいと思いました。
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ああ~、久しぶりの峰生のシリーズ! 待ちくたびれたよ~ 忘れちゃったよ~ その間、峰生のモデル、浜松・天竜に何度出かけたか~ 遠州峰生、代々の名家・遠藤家の邸・常夏荘、 かつて「長屋の子」と蔑まれた耀子も38歳、今や立派な「おあんさん」。 地元の女性達と起業、惣菜と菓子の「なで...
ああ~、久しぶりの峰生のシリーズ! 待ちくたびれたよ~ 忘れちゃったよ~ その間、峰生のモデル、浜松・天竜に何度出かけたか~ 遠州峰生、代々の名家・遠藤家の邸・常夏荘、 かつて「長屋の子」と蔑まれた耀子も38歳、今や立派な「おあんさん」。 地元の女性達と起業、惣菜と菓子の「なでしこ屋」を切り盛りしている。 順風満帆にみえる耀子だが・・・ 離れて暮らす夫からは離婚を切り出され、娘は東京で自立の道を探る・・・ 地元では、遠藤家と会社への嫌がらせもエスカレート、 親族との確執もある・・・という、オトナの耀子の葛藤が描かれていくわけ。 細かいところを忘れていたが、読み進むにつれ思いだしていけるモノ。 どっぷりはまりながら読む。 (ネタバレ気味です) ストリーテラー伊吹有喜、途中で辛すぎて禁じ手のラスト読みしちゃったほど。 (安心して、最終盤へむかえました) 最近、伊吹さんの小説を読んでモヤモヤのたまるイヤ~な気分になったばかり。 かなり警戒しつつ読んだのだが、これは大丈夫! 大団円。 今まで、シリーズを読む度に、「え?これで終わり?」と肩すかしを食らったが 今回は、本当に終了だなぁと得心。 かつてアンシリーズを読んだときのような、シニアも恥じらうドキドキのラスト。 ここに至るまで、きちんと考えられて書き進めていらしたのだろうな・・・ 発売と同時に読んできたけのに、もんのすごく時間がかかった気がする。 耀子の物語は終わったとは言え、次の世代・瀬里がいる。 先代の照子さんだって健在だ。 照子さんの友人ネコさんという素敵なおばあちゃまだって登場している。 スピンオフや続編を期待します!
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なでし子シリーズのいよいよ最終章。 燿子も気がつけば38歳になっていてビックリ。 「おあんさん」として、母として…課された役割をしっかりと果たそうとする姿が、本来の燿子と違う気がして痛々しく感じる場面がたくさんあった。 それに対し、成長した瀬里の若々しさがかつての燿子を思い出させ...
なでし子シリーズのいよいよ最終章。 燿子も気がつけば38歳になっていてビックリ。 「おあんさん」として、母として…課された役割をしっかりと果たそうとする姿が、本来の燿子と違う気がして痛々しく感じる場面がたくさんあった。 それに対し、成長した瀬里の若々しさがかつての燿子を思い出させて、そんな瀬里に嫉妬心が芽生えてしまい(なぜ私が?)不思議な気分だった。 2、3作目では不完全燃焼だったけど、ここに導かれるために描かれていていたのかな。 生きている時はもちろん、亡くなってから帰る場所。自分の原点となるかけがえのない場所があるっていいなと思う。 心の中になでしこが満開になって、気持ちよく読了。
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『リュウカ君、一生、私のものになって』 と耀子が立海に告げたシーンはほんとよかった〜 嬉し泣きしてしまった。 それにしてもあいかわらず照子はかっこいいし、子の瀬里からみた耀子も立海ももう立派な大人なのだけど、子どもの頃からの変わらない想いもまた抱えていて、ふいに子どもの頃のよう...
『リュウカ君、一生、私のものになって』 と耀子が立海に告げたシーンはほんとよかった〜 嬉し泣きしてしまった。 それにしてもあいかわらず照子はかっこいいし、子の瀬里からみた耀子も立海ももう立派な大人なのだけど、子どもの頃からの変わらない想いもまた抱えていて、ふいに子どもの頃のような感じになるところが、ずっと応援してきたような気持ちになって感動もひとしおだった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
なでしこ大河物語集大成。 照子、燿子、瀬里、三人の女たちの、ままならない今と、自分でつかみ取っていく未来。 燿子が、夫に突然突きつけられた「離婚の理由」、そして二人で決めた結末。 山の集落の、代々続く名家で生きる女たちの、変わるべき今を伊吹有喜の真摯で静謐で上品な言葉たちが紡いでいく。 恨みつらみ、嫉妬や邪推、そういう黒い思いさえ凛と顔をあげて生きていく彼女たちのまでは霧散していく。いや、霧散させていくのだ、彼女たちがその手で。 山の中でひっそりと暮らすことをよしとする照子の、思い切った行動にほれぼれ。 そして燿子がようやく手を伸ばすことのできた未来に心から安堵。 天と地を結んだ二人の絆がこれからも峰生を守り続けていくのだ、と読後思わず空を見上げてしまった。 日々のあれこれに忙殺されて心を軋ませている人の心のそっとしみる優しい言葉たち。そんな言葉を心に刻みこんで本を閉じる。
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