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夜しか泳げなかった の商品レビュー

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13件のお客様レビュー

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2024/08/13

中高生の多感な時期に死に触れたり死に近くなると長い間囚われる感覚を思い出した。ただの美しい物語で終わらないところに惹かれた。

Posted byブクログ

2024/08/12

Amazonの紹介より 「私が死ぬまでの一年間、くそみたいなこの世界に八つ当たりするのに付き合ってくれない?」 中高生に人気のベストセラー小説『君と、青宙遊泳』。それは、高校教師・卯之原朔也がかつて封印した物語に酷似していた。今は亡き高校の同級生・日邑千陽と過ごした7年前の夏——...

Amazonの紹介より 「私が死ぬまでの一年間、くそみたいなこの世界に八つ当たりするのに付き合ってくれない?」 中高生に人気のベストセラー小説『君と、青宙遊泳』。それは、高校教師・卯之原朔也がかつて封印した物語に酷似していた。今は亡き高校の同級生・日邑千陽と過ごした7年前の夏——あれは「僕たちだけの物語」だったはずなのに。 覆面作家ルリツグミの正体を探る卯之原の前に、当の本人が転校生として現われる。 「生まれ変わったら、深海魚になるのもいいよな」 愛とか死とか幸せとか、その言葉の本当の意味を僕たちはまだ知らなかった……。 乾ききった心を潤す、書き下ろし長篇小説。 大人気小説が自分の物語と酷似していたというなんとも興味をそそる内容で面白かったです。 なぜ作家が、自分の物語を知っているのか?はたまた、なぜ物語に出てくる同級生が謎の死を遂げたのか?といったミステリーな内容も登場し、探っていくので、一筋縄ではいかない展開に、興味をそそります。 ただ、丁寧に描いている分、ちょっとだるくも感じました。 時折、過去に遡って、同級生との物語を描いているのですが、ゆっくりと時間が流れていくようで、早く知りたい自分にとっては、なかなか前に進んでくれない焦ったさもあるように感じました。 ただ、まるで深海を漂うような、気持ち暗めな雰囲気でしたが、真相が明らかになると切ないけれども優しい気持ちになれました。 主人公と作家、出会ったことで相反する反応を見せ、そこから物語に登場するヒロインを深堀していきます。 それぞれが思うヒロインの印象を通じて、ヒロインが本当に思っていたことや事実が明らかになっていきます。 純粋が故に、主人公が思い描く物語が剥がれ落ちてゆく心の葛藤が垣間見れて、読み応えがありました。 最終的に、ヒロインの謎の死の真相が明らかになるのですが、ジーンときてしまいました。 やはり、愛されて傷んだことに安心と後悔、切なさなど入り混じった気持ちになり、もう複雑な心境でした。 そういった事を乗り越えて、主人公と作家の掛け合いに、今まで深海を駆け抜けていた分、光が射したようで、段々と明るさがきて、心も穏やかになっていきました。

Posted byブクログ

2024/07/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

世の中に余命モノの小説はあふれるほどあるけれど、余命宣告された女の子との、自分だけの思い出がなぜベストセラーになっている、という設定にまず惹かれる。しかもその女の子の最期は病によるものではなく線路からの転落によるという。病院を抜け出してどこに行こうとしていたのか。そもそも、それは自殺なのか事故なのか。 そして自分だけの思い出を小説として書いた少年が自分が教える学校に転校してくる。 なんとも複雑な様相を呈している。あまたある余命モノとは一線を画している。 本当のことを知るための帰郷。彼自身の不幸な生い立ちもまた複雑な思いに拍車をかける。 知っている過去。知らない過去。彼女の本当の姿。少しずつ明らかになる謎。 深海でしか生きられなかった二人の、行違ったままの思いが切ない。

Posted byブクログ