ぼくのひみつのともだち の商品レビュー
静かで、悲しさも心に広がってくるけど、そのぶん読み終わったときには、男の子の喜びがじんわりと胸にしみ渡っていくような作品だった。 淡く透明感のあるイラストも物語に共鳴している。 妻と息子(5歳)の3人で読んでいて、ちょっと息子には物語の意味を理解するのが難しいだろうと感じたため...
静かで、悲しさも心に広がってくるけど、そのぶん読み終わったときには、男の子の喜びがじんわりと胸にしみ渡っていくような作品だった。 淡く透明感のあるイラストも物語に共鳴している。 妻と息子(5歳)の3人で読んでいて、ちょっと息子には物語の意味を理解するのが難しいだろうと感じたため、大人が読みながら考えていることを口に出していった。 こういう読み方は「考え聞かせ」。「考え聞かせ」は、大人が読みながら考えていることを声に出すことによって、子どもに「上手な読み方」を教えるもの。今回は、やろうと思ってやったのではなく、息子が一緒にこの絵本を楽しめるように自然に出てきた読み方だった。やってみて、「考え聞かせ」は、子どもにはちょっと難しい本を読むときに「一緒に楽しめるようにする」という目的においても効果的かもしれないと思った。 以下は「考え聞かせの様子」のメモ。 「いつものみち」「ながいいちにち」 →なんか男の子はうつむいているし、しょんぼりしているかんじがするなあ。どうしたのかなあ。 「ただいま」 →牛乳を注いでいるのかな? あれ、2つ用意しているよ。誰に持っていくんだろう。 「いいこにしてた?」 →あ、うさぎさんに牛乳をあげるのかな。いや、ちがうみたい。だれだろう。 「おなかすいた?」 →ん? 木に話しかけてるのかな? 「ぞうさんだぁ!」(息子) 「あれ? このばってんはなに?」 →あー、土地が売れちゃったんだな。木を調べたり測ったりしている人がいるよ。このばってんは、木が切られちゃうってことかな。ぞうさんは、どうなっちゃうんだろう。 「コンコン コンコンコン」 →何の音だろう? 「きみはどうするの?」 →ぞうさん、どうなっちゃうんだろうね…。ちょっとかなしいお話なのかな。 「いこう! ぼくといっしょに」 →男の子はぞうさんを守ろうとしているんだね。でも、どうやって守るんだろう? 「ここにいちゃだめなのに」 →あれ? ぞうさん? 動いてる? →わぁ! いろんな動物がいる! みんな木みたいだよ。足もだし、体も枝が集まっているみたい。 「なんだ? このあしあと」 →これ、なんのあしあとだと思う? 「さっき いろんなどうぶつがあるいてたでしょ。そのどうぶつたちがとおったあとだよ。」(息子) 最後のページ →「このおんなのこ、さっきみてたよ!」(息子) 「え、どこにいた?」 (父) 「ここだよ。(ページをもどす)」(息子) 「ほんとだ!よく見てるね。」(父) 「この子はさ、がっこうで一人でさみしそうだったけど、今は女の子もぞうも一緒にいてうれしそうだね。よかった。」
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原題は“The Boy and the Elephant”ですが、表紙の絵を見れば、どんな象で、どんな「ひみつ」があるのかわかっちゃいますね。邦題の訳し方、素敵です。 学校も含めて無味乾燥な「ぼく」の日常を癒し、季節の彩りを見せてくれていた大切な場所なのに、大人の目には、都会のビ...
原題は“The Boy and the Elephant”ですが、表紙の絵を見れば、どんな象で、どんな「ひみつ」があるのかわかっちゃいますね。邦題の訳し方、素敵です。 学校も含めて無味乾燥な「ぼく」の日常を癒し、季節の彩りを見せてくれていた大切な場所なのに、大人の目には、都会のビルの谷間の無駄な雑木にしか見えないという、何処の国でも街でもありがちな都市計画で、象たちは大ピンチ! そこで「ぼく」は行動を起こします。象たちは助かり、「ぼく」を含めた子どもたちも豊かになる、という素敵な奇跡が起きたのです。
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