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まんまるしっぽのクロ の商品レビュー

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2024/09/29

お母さんねこと3匹のこねこ。 お母さんから尻尾での魚のつり方を教わる。 しっぽがグーの末っ子はなかなかうまくいかない。 がんばり屋の末っ子チャン、がんばれーーー!

Posted byブクログ

2024/08/17

 いつもの図書館の新刊コーナーより(2024年作)。  まんまるしっぽの「クロ」は、「かあさんねこ」の子どもで、「ブチ」、「トラ」に続いての末っ子になります。  ある夕方、お腹を空かせた子猫たちの晩ご飯として、かあさんねこが魚を捕るそうで、スナドリネコみたいに泳ぐのかと思い...

 いつもの図書館の新刊コーナーより(2024年作)。  まんまるしっぽの「クロ」は、「かあさんねこ」の子どもで、「ブチ」、「トラ」に続いての末っ子になります。  ある夕方、お腹を空かせた子猫たちの晩ご飯として、かあさんねこが魚を捕るそうで、スナドリネコみたいに泳ぐのかと思いきや、なんと池の中に尻尾を垂らして、ゆらゆら揺らすと餌みたいに見えて、それに食いついた魚を釣り上げたから、びっくり。  しかし、それだけでは育ち盛りの3匹には物足りなかったようで、かあさんねこは皆に魚の釣り方を教えることにしました。  そして、皆でかあさんねこの動きに合わせようとしたときに、読み手は気付いてしまった、クロのしっぽだけが短いことに・・・。  それでも、クロはなんとかして、しっぽの先だけでも池に浸そうと頑張ったけれども、予想通り「バッシャーン!」と落ちてしまう。切ない。  皆に助けられた後、クロのしっぽは釣り向きでは無いから待っていてと慰められたものの(そもそも猫のしっぽは、釣り向きではないのだけどね)、『しんぼうづよくがんばりや』とプロフィールにも書いてあった通り、クロは諦めきれず、自分だけの特性を活かして、他の皆とは違うやり方を見出そうとします。  ミヤザーナツさんのこの絵本は、デジタル制作作品とのことで、そのスプレーアートや色の粉を柔らかく振り撒いたような幻想的な背景と、マーカーで可愛くなぞったような線で描かれた猫たちとのギャップ感に、独特な世界観を感じられて面白いものの、実は全身真っ黒なので縁取りが分からないクロの方が、この世界観に最も溶け込んでいるのが分かることで、一見、コンプレックスと思われるクロの個性も見方によっては逆転することを教えてくれて、それはこの世界の見方も同様なのだと感じることで、生まれ持つ個性の素晴らしさ、人はそれぞれ違っているからこそ、それぞれならではの良いところがあることも教えてくれる作品だと思い、それは猫たちの様子を見守る、周りの動物たちから感じられる心地好い雰囲気も大きいのだと思います。  そして、クロの個性はしっぽだけではなく、表紙を見れば分かるように、そのまん丸とした大きな目も、クロだけが持っている、確かな個性であることに気付かされて、こうしてよく見てみると、クロの良いところはいっぱいあるんだね。

Posted byブクログ