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広益体 妖怪普及史 の商品レビュー

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2024/08/19

元来、ローカルな伝承であった「妖怪」が今日広く一般に知られるようになった経緯を、民俗学者など「妖怪」を研究したもの、雑誌や書籍などで広く一般に妖怪を紹介したもの、小説家や漫画家など妖怪を自分の創作に取り入れたものという三つの始点から解き明かしていこうとする本。 取り扱われている...

元来、ローカルな伝承であった「妖怪」が今日広く一般に知られるようになった経緯を、民俗学者など「妖怪」を研究したもの、雑誌や書籍などで広く一般に妖怪を紹介したもの、小説家や漫画家など妖怪を自分の創作に取り入れたものという三つの始点から解き明かしていこうとする本。 取り扱われている題材は民俗学から文学、美術からマンガやラノベ、ゲームまでと幅広いが、各章はテーマ毎に独立した内容で何処から読んでも良い感じ。一つの章の分量もそれほど多くないので空いた時間にさくさく読めるが、どれも自分が感心のある事柄に近い内容ということもあって読み応えがあった。 特に2部や3部は「がしゃどくろ」のような近年になって創作されたものがいつの間にか古くからある妖怪と並んで認知されてたり、「ぬらりひょん」のように本来の伝承とは異なる属性を付与され存在が変節していくことの意味や功罪は、民俗学的な観点からでは出てこないもののように思えた。現代において妖怪はすでに伝承や伝説の中の存在というよりも、マンガやアニメの登場人物のような「キャラ化」された存在という印象だが、今時の「妖怪学」ではそのようなキャラ化された妖怪もまた対象として取り込んでいく必要があるということなのだろうな。 あと、高橋留美子がわざわざ章を割いて論じられてるのが意外というか、なんかもっと他に妖怪に関連が深い漫画家はいるだろうにという感じで不思議なのだが、これは単に書いた人の趣味?

Posted byブクログ

2024/08/14

妖怪がいかに「普及」していったかを様々な視点から考える本。これからの妖怪研究を考えると非常にためになる視点・考え方が多いのは確かなのだが、一つ一つの論考が短く、ポイントを示唆するにとどまっている感がするのは少々惜しい。やはり妖怪史は水木しげるへと焦点を結び、水木しげるから拡散して...

妖怪がいかに「普及」していったかを様々な視点から考える本。これからの妖怪研究を考えると非常にためになる視点・考え方が多いのは確かなのだが、一つ一つの論考が短く、ポイントを示唆するにとどまっている感がするのは少々惜しい。やはり妖怪史は水木しげるへと焦点を結び、水木しげるから拡散していくイメージが強いなぁ。妖怪本のブックガイドは豊富で○。

Posted byブクログ