呪詛を受信しました の商品レビュー

上田春雨(著者)

2024/07/30

ミステリとしての精緻さは無い。女子高生の身近にありそうで恐ろしい、不幸な話に、推理要素がちょっぴり。

2024/07/28

それぞれの苦しみから呪詛が生まれ、連鎖していく…弱った心に呪いの言葉が染み込んでいくのか…主人公の湊が高校生と思えないほど大人っぽく淡々としすぎて怖い･･･

2024/07/25

Amazonの紹介より
北海道のとある町で暮らす女子高生の湊。彼女は継母と険悪な関係で、早く自立するためにパパ活をしている。
ある日、湊の友人・飛鳥のスマートフォンに、事故死した中学時代の友人・美保から「死ね」というメッセージが届く。
それから間もなくして凄惨な出来事が起こり……。
湊の周囲で連鎖する死の真相とは？
思春期の残酷な同調圧力と心の闇が描かれた、第22回『このミステリーがすごい！』大賞・隠し玉。

想像したよりも、登場人物みんなえげつない関係性や経歴、今の現状にゾワッと恐怖がきました。
パパ活やマウンティング、いじめなど、表では仲良しそうな女子高生達なのですが、裏ではまぁドロドロすぎる関係性だったので、青春時代では思えぬテイストに、凄い攻めてるなと思いました。

そういった状況の中で起きる死者からのメッセージ。そして実現したかのように次々と謎の死を遂げていきます。ホラーテイストになっていますが、深掘りしてみると現実的な印象も多くあって、他人事ではない印象もありました。

特に言葉という名の鋭い刃が、いかに人の心を痛めつけるのか、身につまされました。普段の状態だと、あまり気にも留めない文章でも、精神状態が崩壊していたり、弱っていたりすると、鋭く心に刺さっていきます。

友達関係が段々破綻していく過程はリアルさがあって、同時にマウンティングの恐ろしさも感じました。
果たして、誰が犯人なのか？ホラーな展開なので、超常現象？かなと思ったのですが、ちょっと異なっています。それでも無理やり感があって、これで良いの？と思いながら、結末を迎えます。

色んな言葉が頭を駆け巡り、なんとも言えないモヤモヤ感に浸ったのですが、はっきり言えることは、汚い言葉がいかに人の心を傷つけるのか、自分自身も気を付けたいと思いました。

それにしても、小説にでてくる登場人物が、みんなまともではないので、終始不安定な状態でした。主人公はパパ活をしていて、しかも相手は警察官とヤクザ。さらに主人公とヤクザにはある秘密を抱えていて、内容としては面白いのですが、ヒヤッとさせられました。
後半部分は、悍ましい描写もありますので、ご注意を。

危険すぎる青春でしたが、女子高生達の恐怖に対する描写が丁寧で、段々と狂っていく姿は、リアルさもあり、こうならないような現実を望みたいなと思いました。

2024/07/24

人を呪わば穴二つとかいう次元じゃない！笑
みーーんなめちゃくちゃ！
ただちょっとしたことがきっかけで
嘘が事実になったり事実が嘘になったり
青春時代はよくあったなぁ。
次の日急に悪者になってるっていうね。

2024/07/11

とっても胸くそな人間関係。主人公の境遇も悲惨なのだが、いかなる状況でもダークに切り抜ける知性と根性に、なぜか胸がすく。SNSの誹謗中傷は、確かに現代の呪詛と言えるし、不幸の連鎖というのも実際ありそうだな、と思ってしまった。

2024/07/07

感想
儀式のない呪い。一度口から出た言葉は元に戻らない。呪詛の本質とは。人から人へと伝播する。老いも若きも。だがその青さは。きっと脆い。

2024/07/03

『呪詛』という言葉に惹かれ、この作品を読みました。
どんな災いが起こるように呪ったのか…
そんな事を思いながら読み進めました。

確かに呪詛はありましたが、そこだけではなく、高校生たちの言葉から起こる同調圧力みたいなのがとてもリアルに感じました。

呪詛＝ホラー。なイメージもありました。
でも、この作品を読んで違う呪詛もあるんだなぁ。と思いました。

彼女たちの生きづらさや起こった事件など、心が痛くなりましたが、内容が新鮮でとても面白いミステリー小説でした。