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破砕 の商品レビュー

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9件のお客様レビュー

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2024/11/26

こんなショートショートではなく、もっと長い作品でも良かった様に思う。 彼女の将来の姿を既に知っているだけに、彼女の儚い想いが長きを過ぎても決して結実しない事をわかっている…それが切ない。 彼女が凶手という職業をかの齢まで継続出来たのは果たして僥倖と言えるのだろうか?

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2024/11/13

読みにくい。 ぱらぱらと舞う記憶のかけらを集めていくようだった。 インタビューと解説があるのが嬉しかった。 生粋の小説家。社会に左右されない芸術家。 作者の他の作品も読みたい。

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2024/10/27

破果の主人公爪角の外伝。 彼女がどのようにして殺し屋になったか、その山籠もりの訓練を描く。二人の師弟関係の感情の動きがうまく、爪角の隠された思いが切なかった。

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2024/10/14

「破果」の60代女殺し屋・爪角の、若き日の修行期間の短編。 若い爪角は、元来の反射神経や根性、気の強さがはっきりしていてかっこいい。 ほぼ実戦の攻撃で、冷酷と思えば優しく、乱暴なようで丁寧な指導係の”室長”(ところどころ入る不自然な丁寧語が面白い)。 爪角が彼への思いの変化を自覚...

「破果」の60代女殺し屋・爪角の、若き日の修行期間の短編。 若い爪角は、元来の反射神経や根性、気の強さがはっきりしていてかっこいい。 ほぼ実戦の攻撃で、冷酷と思えば優しく、乱暴なようで丁寧な指導係の”室長”(ところどころ入る不自然な丁寧語が面白い)。 爪角が彼への思いの変化を自覚しつつ、表に出すのは闘志だけなのもいい。 装飾が多い文章も、人により好みがあると思うけど、美しくて私は好き。 爪角の物語をもっと読みたいけど、あとがきで著者はシリーズ化の意思はないようでとても残念。

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2024/09/29

『破果』の爪角の若き日を描く短編。 本は小さくて薄いが、『破果』が出た後で作者が書いたもので、作者はこれ以上爪角の小説を書かないと言っているからこの形の出版は仕方ないかなと思う。ぜひ文庫化するとき『破果』の中に入れて欲しい。 爪角がリュウと山に一カ月ほど籠り、殺人と身を守るノウハ...

『破果』の爪角の若き日を描く短編。 本は小さくて薄いが、『破果』が出た後で作者が書いたもので、作者はこれ以上爪角の小説を書かないと言っているからこの形の出版は仕方ないかなと思う。ぜひ文庫化するとき『破果』の中に入れて欲しい。 爪角がリュウと山に一カ月ほど籠り、殺人と身を守るノウハウを身につけるという話。(ちなみに名前は出てこない) 爪角のリュウに対する、こう言ったら元も子もないが「恋心」のようなものを、絶妙な感覚で描いており、グッとくる。決して口にすることはなく、相手もわかっていることを感じさせまいとしている。それでも漏れてしまいそうで、でもその寸前で何とか止めるという切なさに。 この文章の妙は、訳者の小山内さんの力もあるのだろうが、本当に素晴らしい。ここで書き出すのは憚られるほどだけど、一つだけ。 「彼は気づくことができない。口を開いたら、声を発したら…口の中でひらめいている蝶に、はばたくことを許してしまったら。彼が知ってはならず、知る必要のない、だが、とうに知られているかもしれない想いが突然あふれ出しそうになる恐怖に、彼女が囚われていることを。それはおそらく、流れ出すとか漏れ出るとかいうおとなしくて行儀のよいやり方ではなくて、荒々しくジグザグに縫い付けてあった部分が引きちぎられ、こじ開けられ、もつれ出るような恰好だろう。そこには拾われることの叶わない言葉が、千切れた蝶の翅のように散乱するだろう。」(p59)

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2024/09/02

短編だったが引き込まれてしまうぐらいに夢中で読む。西洋などの文学より中華圏が読みやすい。翻訳のせいにしていたけど文化の違いでもあるのかも。と思いながら読了。 暑さも忘れるぐらいに熱中して読んでいたら室温が32度になっていた。

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2024/08/21

殺し屋になる修行のため師匠と森に籠る… 傷だらけになりながら、魂のやり取りを力強く描く物語 #破砕 ■きっと読みたくなるレビュー 前作『破果』において、女性で高齢ながらも殺し屋として生活していた爪角(チョガク)。時間軸は彼女が殺し屋になる前、若かりし十代の物語で、師匠と二人で山...

殺し屋になる修行のため師匠と森に籠る… 傷だらけになりながら、魂のやり取りを力強く描く物語 #破砕 ■きっと読みたくなるレビュー 前作『破果』において、女性で高齢ながらも殺し屋として生活していた爪角(チョガク)。時間軸は彼女が殺し屋になる前、若かりし十代の物語で、師匠と二人で山に籠り、厳しく鍛えられるという筋立て。本編自体は80頁の短編のみで、作者のインタビューや深緑野分先生の解説付きです。 前作を読んでない方のために軽く『破果』のあらすじをご説明。 60代の女性殺し屋の爪角(チョガク)は、殺戮の依頼を失敗してしまう。引退を思い至る彼女であったが、様々な人との出会いの中、それでも殺し屋の信条や心得は忘れずにいた。ある日、同じ殺し屋である若い男から、因縁をつけられるようになってしまい… といったお話。 今回のお話自体は短いのですが、これが味わいが深い作品なんですよ。暴力小説でありながら、表現力豊かで純文テイスト。文法的に良い悪いでなく、単語ひとつひとつに粘り気があって、油分が強いんですよね。読ませることよりも、伝えることを優先しているような感じ。んー、わかるかなー。 とにかく最初の3ページほどを読んでいただければ、言いたいことは分かってくれるはず。小説の冒頭なんて説明しがちですが、いきなり『破果』の世界に引きずり込んでくれる珠玉の導入です。 登場人物は二人だけ、まだ弱っちい爪角と殺し屋の師匠。この二人の師弟関係がいいんすよ、メインの読みどころです。滅茶苦茶にも見えるのですが実はそう単純ではなく、特に中盤から終盤にかけて、気の利いた変化でさらに奥行きを感じさせる。どこか羨ましくもありますよね。 小さく短いのに内容が濃い、手元に置いておきたくなるような一冊でした。しっかりと堪能させていただきました! ■ぜっさん推しポイント 殺し屋っていうと、男性ならクールでカッコイイ、女性ならスタイル抜群の美人。脳みその切れ味がよく、運動神経抜群!なーんてのがイメージできるんですが、本シリーズは登場人物たちがボロボロなんすよ。 いつも負けそうでカッコ悪く、殺し屋には馴染まない「人情」にやたら弱いんです。 そしてこの負の表現が濃厚なんですが、その中に生命力だけは眩しく光ってるんすよね。ぜひ魂を感じ取ってください。

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2024/08/17

短いのでサッと読める。身体的な描写が簡潔だがリアル。互いに名前で呼び合うことなく、素性が分からないのが、よりスパイの雰囲気。『破果』の外伝的短編小説だそう。なんの予備知識もなく呼んでも面白かったので、『破果』も読みたい。

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2024/08/10

破果同様、読後、装丁を見るととてもしっくりくる。若年女性が山小屋で殺し屋トレーニング。ココアに油断。師からの仕掛けを見誤り、山中に倒れたところは昼間でもこんな暗さがある場所だったに違いない。

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