なぜ難民を受け入れるのか の商品レビュー
「生まれの偶然性」この概念を冒頭に掲げて難民問題をあらゆる方面から説いていく。 自分の無知さを恥ずばかりであった。難民問題を身近に感じることのない不自然さ。日本の取り組み方には首を傾げすぎてもげそう。
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難民の定義と分類、日本における難民政策、北欧諸国の難民政策などについて書かれている。 難民の定義がとても分かりやすく書かれていて、読みやすかった。 「認定の故に難民となるのではなく、難民であるが故に難民と認定されるのである」とは、UNHCRのハンドブックの有名なフレーズだそうだ。...
難民の定義と分類、日本における難民政策、北欧諸国の難民政策などについて書かれている。 難民の定義がとても分かりやすく書かれていて、読みやすかった。 「認定の故に難民となるのではなく、難民であるが故に難民と認定されるのである」とは、UNHCRのハンドブックの有名なフレーズだそうだ。 つまり、難民手続きを経てその人が「難民ではない」と確認されるまでは、全ての庇護申請者は「難民である可能性がある人」として扱われなくてはならない(p13) 北欧、特にノルウェイでの難民政策はお手本となるようなものだと思う。脆弱な人々を受入れたり、きちんと自立できるように手助けしたりしている。 そうすることで、難民、受入国双方にメリットがあると思う。デメリットばかりが取り上げられるように思うが、要は取り組み方次第である。 日本の場合は、国際的な批判をかわすための難民政策となっていて、難民の人権や受入れた後の長期的なビジョンが欠けているように思える。 しかし、ノルウェイの場合は現国王ハーラル五世が過去にロンドンに亡命せざるを得なかったという「難民」の背景がある。(p245) そのため、熱心な難民保護推進はである。 また、脆弱な人々を受入れることに対して国民が容認するのも、国民に福祉国家としてのプライドがあるからである。 日本においては政府だけでなく国民も人権意識が低く、難民問題に関心を持つ人は少ないと思われる。 政府だけでなく、日本に住んでいる日本人の意識を変え世論に反映させることも必要だ。 「はじめに」で、「生まれの偶然性」という言葉が出てくるが、これは私が今まで漠然と感じていたことを明確にしてくれる言葉である。 難民とは「たまたまそこに生まれた」というだけのことなのである。迫害されるべき人などいないのである。 (私の中で今まで感じていたのは、難民についてではなく、国内での貧富や教育の格差についてだが、国内か国外かの規模の違いでそれらは同じだと言える)
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難民を受け入れると治安が、とか、社会保障がとか言い腐ってるネトウヨやエセ日本大好き愛国者に読ませたい本。 難民移民の犯罪率が高いのは、就業の壁(第一世代)、偏見の壁(第二世代)だということは本来読まなくても自明だけど、自明じゃない人が多すぎる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
書評:妥協点を探る「戦略」の必要性(前田健太郎「好書好日」2024.08.10) https://book.asahi.com/article/15383259
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配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。 https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=01429455
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