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「和歌所」の鎌倉時代 の商品レビュー

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2024/10/03

 新古今集が勅撰和歌集の8番目、その後続く新勅撰、続後撰、続古今、続拾遺、新後撰、玉葉、続千載、続後拾遺、そして風雅和歌集まで、鎌倉時代に治天の君の命により編纂された勅撰和歌集の数々。政治的動向とは無縁に思っていた背景が、朝廷と鎌倉、南北朝の政治的な思惑により産まれてきた歴史が面...

 新古今集が勅撰和歌集の8番目、その後続く新勅撰、続後撰、続古今、続拾遺、新後撰、玉葉、続千載、続後拾遺、そして風雅和歌集まで、鎌倉時代に治天の君の命により編纂された勅撰和歌集の数々。政治的動向とは無縁に思っていた背景が、朝廷と鎌倉、南北朝の政治的な思惑により産まれてきた歴史が面白かった。後鳥羽上皇のスーパーマンぶりがここでも印象的だが、藤原俊成・定家・為家から始まる御子左家の3分流・二条(為氏、為世)、京極(為教、為兼)・冷泉(為相)の3家の対立。為家の妻・阿仏尼の子は為相だけで、彼女が裁判のため鎌倉に下ったのは、為氏との争いのためだったことが分かり、私自身の永年の不知を知らされた。大覚寺統と結びついた二条家が勅撰者の中心であったが、例外として京極為兼が持明院統・伏見上皇の命により玉葉和歌集を編纂したこと、そして冷泉家は鎌倉と結びついたなど政治勢力との関係が驚きだった。 そして今は二条・京極家が途絶え、冷泉家のみが残るその後の歴史に興味を覚えた。

Posted byブクログ