「縄文と神道」から読む日本精神史 の商品レビュー
日本の精神史というところで、縄文から続く基調となるアニミズムに、道教、仏教、儒教なども取り込みつつ、日本独自のものへと習合して発酵し、能、茶の湯や俳句、禅、梅岩や松下幸之助、西郷隆盛へと繋がっていく様が語られる。 自然と人間の関係や、地理的位置付けなどが精神史に影響するというの...
日本の精神史というところで、縄文から続く基調となるアニミズムに、道教、仏教、儒教なども取り込みつつ、日本独自のものへと習合して発酵し、能、茶の湯や俳句、禅、梅岩や松下幸之助、西郷隆盛へと繋がっていく様が語られる。 自然と人間の関係や、地理的位置付けなどが精神史に影響するというのが面白い。 自分がもののけ姫で感じた自然との共存、宮本武蔵で感じた『道、万理一空』、禅や山伏に惹かれる理由、自然に生かされて生きる、人間も自然の一部であるという思いは、何のことはない、日本で生きる中で連綿と続いてきた大きな流れの中にあることがわかる。そうした大きな流れの中にいることがわかり、何故か大きな安心を覚えるし、もっとそうしたところを感じ、取り戻していきたいと思う。日本の伝統的な精神文化というのが、国家神道のせいで歪められて途切れてしまっているのが、今の日本の不幸なのかもしれない。 教育勅語ではなく、もっと前に戻る必要があるのかもしれません。 著者の言うとおり、本書を読んで、精神的なアイデンティティを取り戻し繋がりを感じる機会となり、そして腹落ちすることができた。 バラバラに触れて良いと思っていたことが、流れとして理解できたことが、安心につながる。 自然と人間との素晴らしい呼応関係が、日本ではせいりつしていた さかしらを排して、自然の凄まじい力との一体化を成し遂げようとする日本人の精神性 →この辺りが、古武道やランニングなどでの身体操作術とも繋がる。意識で固くなるのではなく、理にかなって動くということ。 →そして、呼吸を合わせて相手との一体化を進めることは、合気道。そして、なあなあではなく、和をもって尊しとなす上でも大切なものになりそうだ。 これから、より、深く日本精神史や思想史を見ていくとともに、 自然、歴史という風土と言語学的アプローチ(言葉の多様性など?)を合わせて、自然と人、世界観の関係を研究したい。それから、エンタメ性やゲーミフィケーションとの関係で、いかに自身の価値観や共通性を持てるようになるのかという点も深めていきたい。 読み終えて、改めて、禅の藤田一照老子や横田南嶺老子、山伏の星野先達や、内山節先生、内田樹先生の唱えていることが面白いと思うことや、何故惹かれるのかも再認識することになった。
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