精霊を統べる者 の商品レビュー
ファンタジー。SF。 初めて読む作家。両親がトリニダード・トバゴ出身のアメリカ人歴史学者とのこと。 エジプトが舞台のサイバーパンク。 魔法が存在し、ジンと人間が共存する世界観が独特で面白い。 主要人物が、主人公ファトマとパートナーのハディア、恋人のシティと、女性ばかりなのも特徴的...
ファンタジー。SF。 初めて読む作家。両親がトリニダード・トバゴ出身のアメリカ人歴史学者とのこと。 エジプトが舞台のサイバーパンク。 魔法が存在し、ジンと人間が共存する世界観が独特で面白い。 主要人物が、主人公ファトマとパートナーのハディア、恋人のシティと、女性ばかりなのも特徴的。 基本的には、冒頭の不可解な事件を主人公たちが捜査する、ミステリ的なストーリー。 派手な戦闘シーンもあり、映像化しても良さそう。ジンやイフリートたちの戦闘シーンは、文章でもなかなかの迫力。 世界観にハマリ、かなり楽しく読めた。 天使たちの行動の目的は明らかになっていなかったように思うし、続編やこの作品以前のシリーズの翻訳にも期待したい。
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まず何より舞台設定の勝利だろう。精霊と科学が共存しているエジプト。錬金術・魔術・超自然的存在省。やたらと人間くさいジン。アラビアンナイトの文学世界。すべてを統べる指環。機械仕掛けの天使。イフリート。ハーフジン。ストーリー自体はそこまで複雑ではないのだが、リーダビリティが高く楽しくあっという間に読み終えることができる、映画化必至の佳きアクションファンタジーに仕上がっている。エージェント・ファトマの日々の小さな仕事を描いた本も読みたくなってくるな。主要登場人物が全員女性というのは狙いだろうし私は嫌いではないのだが、少し読む人を選ぶかも知れない。そしてついつい想像してしまうのが、今現在の日本でアル=ジャーヒズの穴が開いたら最強国になるんじゃないかということ。八百万じゃ済まないからなぁ。神々、妖怪は当たり前として怪獣・怪人・超人あたりも実体化したら⋯(笑)。
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これは面白いよ!と聞いてたから読んでみたけど、自分的にはそこまで刺さらなかった。 歴史IFと魔法とジンとの契約とフェミニズム? 2時間モノのアクション映画のような大雑把さ。 もう少し人間ドラマやミステリーが欲しかった。ちょっと物足りない。 スチームパンク大好きな人間ではないので、そこもあんまし。ジンの容姿もあんま想像できなかった。ずっとアラジンのジーニーだった。 契約に縛られるあたりはわからんでもないけど、なんかみんなウブだなあって感じ。天使のところは良かった。でもよくわかんないな。 主人公以外に有能で活躍出来る人はいないの?とも感じちゃって全然没入感を感じられなかった。悔しいな。いつ面白くなるんだろうと思いながら終わった感じ。続編が出て評判が良いなら読んでみたいかな。 女性同士の恋愛やバディとしてはまあ良いかなってとこ。
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とっても好きな世界だった イフリートとジン、魔法省がある世界 図書館で借りたけど、結局買いに行った本 4000円近くするのね 読み終わるのがもったいなかった
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エジプトを舞台にしたスチームパンク! もう設定からして珍しすぎる! 幻想文学と銘打たれているのは、人と精霊(ジン)が共存している世界観だから。 19世紀初頭、エジプトに大魔法使いが現れ、時空をつなげて、精霊を呼び出した。 さらに、その精霊たちの能力も掛け合わせて、機械工業化も...
エジプトを舞台にしたスチームパンク! もう設定からして珍しすぎる! 幻想文学と銘打たれているのは、人と精霊(ジン)が共存している世界観だから。 19世紀初頭、エジプトに大魔法使いが現れ、時空をつなげて、精霊を呼び出した。 さらに、その精霊たちの能力も掛け合わせて、機械工業化も進めたので、この世界ではエジプトは、アメリカ・ロシアに並ぶ世界三大強国となっている……。 それでも、女性蔑視や、エジプトが栄えたからこそ南北の人種差別問題が表面化している。 主人公も、その相棒も恋人も、主要キャラはほぼ女性♪ みんなステキな人たちで、フェミニズム文学としても傑作だと思う。 大国であればこそはびこる差別と、新しい宗教問題。 かつての強国であり敵国であるイギリスとの関係。それを取り巻く列強国の態度。 エジプトの世界各国の要人が集まるなか、かつての大魔導士を名乗る存在によるテロが起こる。 そのテロを食い止めるために奔走する主人公たち! と、物語の展開はシンプル&スピーディーで、精霊やら魔法使いやらが入り乱れるバトルシーンは圧巻。めっちゃ迫力ありました。 歴史改変ものは、ヨーロッパ主体か、または日本人作家による日本史ものしか読んだことがなく、中東を主役としたときの視点が新鮮で、物語の完成度と合わせて、とても楽しめました♪
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奴隷制についてのテーマに第3次フェミニズム的なテーマが緩く関係したかたちで描かれている。 ただそのテーマを描くには、人とジンという関係性についての言及が弱く、またジンたちもキャラクターは立っているのだがもうひとつまとまりを持った人格という感じが伝わってこない。
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こいつは文句無しの星五つ。特に後半、ページをめくるのももどかしく、まさに“貪るように”読み切った。ジンと総称される精霊(例のランプから出てくる青い魔神のような!)と人間が日常的に共存する19世紀のエジプトが舞台の歴史改変的スチームパンクSFといった風情だけど、まぁその世界観の魅力...
こいつは文句無しの星五つ。特に後半、ページをめくるのももどかしく、まさに“貪るように”読み切った。ジンと総称される精霊(例のランプから出てくる青い魔神のような!)と人間が日常的に共存する19世紀のエジプトが舞台の歴史改変的スチームパンクSFといった風情だけど、まぁその世界観の魅力的なこと。 クールだけど、どこか生真面目な主人公、魔法省女性エージェントであるファトマが、恋人の蠱惑的な女性、シティに手玉に取られたりする場面や、相棒の新人ハディアの意外な一面(いや、多面か)に触れて目を丸くする場面など、クスリとさせられる場面も多くある。 全編通じて物語はとても映像的で、これはいつか映画化するんじゃないかというか、するべきという気持ちが読み進めるごとに大きくなった。スタイリッシュなファトマのファッションや、ジンのCG表現など、想像するだけで楽しい。主人公は誰だろう? とにもかくにも、本棚に納めておくのが嬉しい、超絶おすすめの一冊となった。
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★5 精霊や魔法など超自然的存在と共存する幻想的な世界、女性たちの戦いが鬼アツ! #精霊を統べる者 ■あらすじ 伝説の魔術師によって精霊との扉を開かれた世界。時は1900年代初頭、エジプトはギザの街、秘密結社の団長と仲間たちが黄金の仮面をかぶった謎の人物に焼き殺されてしまった。...
★5 精霊や魔法など超自然的存在と共存する幻想的な世界、女性たちの戦いが鬼アツ! #精霊を統べる者 ■あらすじ 伝説の魔術師によって精霊との扉を開かれた世界。時は1900年代初頭、エジプトはギザの街、秘密結社の団長と仲間たちが黄金の仮面をかぶった謎の人物に焼き殺されてしまった。魔術省の女性エージェントであるファマトは、新人のハディアや身体能力に優れた恋人シティとらと捜査を始めるのだった。 ■きっと読みたくなるレビュー 大好きな青崎有吾先生が大絶賛してたので、思わず手に取った一冊。また強烈な本を読んでしまったなぁ~、なんじゃこの傑作。 正史に一部基づきつつも、精霊や魔法といった超自然的な存在と共存するエジプトが舞台。ほぼエジプト史なんて知りませんでしたが、イギリスとの関係性や歴史の背景にある人種差別や弾圧、奴隷制など学ぶことが多い。 荘厳な歴史を感じつつ、主人公である魔術省のエージェントであるファマトを中心に事件の捜査が進んでいく。その中で人間たちの様々な宗教や団体が登場するのですが、決して人々は幸せになっている様子はなくむしろ自分たちを苦しめてるように見えるんです。 さらに、精霊、魔法、天使といった超自然的な存在がさらに事件を複雑にしてくる。特に精霊は敵なのか味方なのかよくわからず、主人公と同じように読み手も煙に巻かれちゃう。 ただこれらのスーパーナチュラルな存在がファンタジックながらありそうな設定なんですよ。描写も想像しやすいように書かれていて、迷子になることなく幻想的な世界に漂えます。 物語が後半に入ると問題が本格化してくるんですが、ここからはもう読む手が止まらない。黄金の仮面をかぶっているのは誰なのか、目的はなんなのか、世界はどうなってしまうのか。対決シーンなんか想像以上のアクションでドキドキするし、仲間たちとのやりとりなんて超激熱ですよ! そうそう、本作は登場人物が素敵すぎるんです。百合っぽい要素もアリアリで「女性たち」の戦いも読みどころなんです。 ●ファマト お洒落さん、真面目で行動力もあるし、機転の利く女性。彼女の弱い部分が見え隠れするところに感情移入しちゃって、どこまでも応援したくなる主人公。 ●シティ めっちゃCoolで妖艶なお姉さん。重要なシーンでさっそうと登場する様子がまるで王子様のようで、身をゆだねたくなる人。私も甘えたい(男だけど)。ファマトと恋人でありながらも、立場や価値観、隠し事があったりと距離感が絶妙で好き。 ●ハディア 新人女性エージェント、現代風な考えを持ちながらも信念は強い。先輩ファマトとの関係性が、まるでベテラン刑事&やる気満々新人刑事の二人組といったところ。価値観をぶつけ合うシーンは読む手に力が入った、カッコイイ! 久しぶりに壮大なファンタジーの世界に浸りました、スゴイ一冊。想像力をかきたてますし、日頃の疲れた脳みそが癒されるので、夏休みにぜひどうぞ。 ■ぜっさん推しポイント 力を持ちすぎることは害悪でしかありません。特に人種差別や奴隷制度といったものは、本当になくなって欲しい。本人の努力ではどうにもならないじゃん。 幻想文学とは言いつつも、本質的には実現世界の問題とあまり変わらないことに悲しくなりますね。人間ってどこまでも強欲だし非道な生き物、悲しい歴史は繰り返さないで欲しいわ。
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1912年のエジプト・カイロを舞台に、すさまじい想像力が爆発する幻想小説巨篇。 スチームパンクの世界観に加え、精霊(ジン)が復活し、魔法が支配している世界という設定だ。そこで起きた異常な大量殺人事件を解明するべく、エジプト錬金術・魔術・超自然的存在省の特別調査官ファトマが奔走する...
1912年のエジプト・カイロを舞台に、すさまじい想像力が爆発する幻想小説巨篇。 スチームパンクの世界観に加え、精霊(ジン)が復活し、魔法が支配している世界という設定だ。そこで起きた異常な大量殺人事件を解明するべく、エジプト錬金術・魔術・超自然的存在省の特別調査官ファトマが奔走する。 魅力的な設定に加え、キャラ造形がうまい。抜群のリーダビリティもあって、2段組本文408ページを一気に読んでしまった。シリーズの初長篇らしいが、他の作品もぜひ読みたい。 ネビュラ賞、ローカス賞、イグナイト賞、コンプトン・クルック賞の4冠受賞。
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