女性法律家 復刊版 の商品レビュー
今から41年前の昭和58年の企画の本。13人の女性法律家が法律家になった理由や仕事内容を書いた。執筆者のなかでは三淵氏が最年長。大学卒業年は昭和13年、18年、昭和20年代が5人、30年代が5人、40年代が1人。当時60代から30代の人たちだ。昭和58年当時、三淵氏は昭和54年に...
今から41年前の昭和58年の企画の本。13人の女性法律家が法律家になった理由や仕事内容を書いた。執筆者のなかでは三淵氏が最年長。大学卒業年は昭和13年、18年、昭和20年代が5人、30年代が5人、40年代が1人。当時60代から30代の人たちだ。昭和58年当時、三淵氏は昭和54年に退官して4年目、なんと出版の次の年にはお亡くなりになっているのだ。 記述は最初に三淵氏。これが文章が硬い。朝ドラでは少しおっちょこちょいなところも垣間見られるが、まさにお役所の文章といった印象を受けるのが意外だった。しかし仕事に対する真摯な様がああいう文章になるのだろう。そして人事面などで抵抗を受けた以外に女性であることで差別されたと思ったことは一度もない、と述べている。これは裁判官という仕事にもよるのだろうが、あとに続く人たちの文ではけっこう女性ということで苦労した、と述べている人が多数だった。逆に一番女性だということで抵抗を感じていない、と感じられるのが一番年長の三淵氏なのだ。 また、20、30年代卒業の方では企業法務、昭和45年卒業の方はニューヨークの法律事務所勤務など、時代が下がるにつれ活躍の幅も広がっていると感じる。また三淵氏は、特に女性のために仕事をするのではなく、女性を含め困っている「人間のために」何か力になりたかったのだ、と述べそれは最初から今まで変わっていないのだという。 それに対し、昭和29年卒業の笠原郁子氏は昭和40年12月に主婦の友社ビル内に6人の女性弁護士で法律事務所を開設した。笠原氏は仕事をして今なを男女差別は続いていると感じ、女性が主体的に権利実現のための行動ができるようになる必要があると、女性の、女性による、女性のための法律事務所を開設したとある。(現在は「お茶の水共同法律事務所」としてやはり女性法律家でやっているようだ) 1983.6.30初版第1版 2024.6.30復刊第1刷 図書館
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