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原因において自由な物語 の商品レビュー

3.7

6件のお客様レビュー

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2024/10/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いじめやルッキズムが焦点になっているようでなってない感じがして、それが読みやすかった。いじめが引き起こした悲劇であるはずなのにそこまで深刻にならない、なれなかった。琢也は死にたがっていて、死んで、彼が死んでも標的はまた別に移るだけ。当たり前のいじめの流れというかまあ、そうだよねって思った。手を差し伸べる大人がいてもその手を取るかどうかは子ども次第なのも、同い年に利用されて人を殺そうとしたりするのも いじめの問題の危うさはじっとりあるのに何だか軽かった。2026年本当にルックスコアなんて出てきたら本当に終わりだからね… 個人的にはいじめが問題というよりは紡季という個人が想護が託したプロットと現実の狭間で小説家としての人生を選び直すことに焦点があったような気がする。小説が、物語が、だれかの人生の碇の役割をして明日を諦めない理由になるのかもしれない。希望を与えるなんて安易で綺麗すぎる終わり方だったと思うけど仕方ない、だって“小説家”はそれしかできない。 あの椎崎さんって法廷遊戯でなんかあった?関わってそうな描写があったけどそれを読んだのがかなり前なので思い出せず……なんかあった気もするね…

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2024/10/07

若手人気作家・二階堂紡季には、誰にも言えない秘密があった。露呈すれば、すべてを失う。 しかし、その秘密と引き換えにしてでも書かなければならない物語と出会ってしまい……。 主人公である作家・二階堂紡季の記した作中作と、現在紡季の周辺で起こっているストーリーが代わる代わる進行する...

若手人気作家・二階堂紡季には、誰にも言えない秘密があった。露呈すれば、すべてを失う。 しかし、その秘密と引き換えにしてでも書かなければならない物語と出会ってしまい……。 主人公である作家・二階堂紡季の記した作中作と、現在紡季の周辺で起こっているストーリーが代わる代わる進行するミステリ……と思いきや、ちょっと雰囲気の違う一風変わった小説です。 自分の容姿を客観的に評価されるルックスコア。同じ顔面偏差値帯の異性ユーザーを、運命の相手として提示するアプリ「故意に恋する」。自殺疑惑の転落事故、いじめにスクールロイヤーの学校や生徒との関わり方。 現実からほんの少しズレた「圧倒的ルッキズム社会」の世界での、残酷で悲しい物語です。 本当に、現実にこんなアプリが普及してなくてよかった……。実際は顔診断アプリとか顔面偏差値アプリとか、ない事はないんですけどね。作中のような制度の高いアプリが一般に普及していたらいじめやら不登校やらものすごく増える気がします。 いつの時代も、いじめが完全にこの世から消える事はないと思いますが、せめて加害者・傍観者にならないように、正しいと思う一歩を踏み出すことを恐れない人間でいたい。 読んでいる途中でもしかして? と思いましたが、著者の五十嵐さんのデビュー作である『法廷遊戯』のキャラクターも出演しているそう。そちらを先に読んでおくとより楽しめるかもしれません。 私はまだ読んでいないので、後日読んでみます。

Posted byブクログ

2024/10/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 友人に勧められミステリー小説を読むつもりでこの小説を読み始めたが、思っていた以上にミステリ以外の部分が多く、自由な小説であったように思う。  個人的にはドンデン返しのミステリとしてこの本が紹介されるのは少し違う気がした。私がこの小説を読んで特に印象に残ったのは作者の俯瞰的な視点である。この作品では学校でのいじめが多く描写され、その残酷な一面も多く見られるが、作品内ではいじめ加害者にも被害者にも寄り添っておらず、かなり中立的で、視点が法律的であるように思えた。 遊佐を突き落とした樋口も、それを指示したであろう須藤も、他人を巻き込んで死のうとした佐渡も全員が学校の中の一つのシステムのように扱われていることに感心と同時にモヤモヤした。起こったことは取り返しがつかないし、思春期の人間は時に驚くほど残酷になる。それは感情で解決することは難しく、将来的な視野を持った解決が第一であるだろう。 自分にはない視野に気付かされた一冊だった。

Posted byブクログ

2024/08/15

メタとも作中作ともちょっと違うような不思議や作りの小説になっている。月並みな言葉で語るよりぜひ読んで良さを知ってほしい作品だった。

Posted byブクログ

2024/08/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

買うつもりはなく、棚に戻すときに落としてしまい角が折れちゃったから弁償の意味を込めて購入した本。はじめて読む作家だった。 私は自分の顔に自信はなくて(学生時代に比べたら自信はついた方だけど)、だからこの冒頭から出てくるルックスコアはなかなかキツイ仕組みだな、と思った。ホント、自分の学生時代、特に中学生の頃にスマホがなくて心底安心した。解説にもあったけど、今の子は我々の比じゃないくらいに自分の見た目を気にしていると思う。アプリそれ自体に対する対処法とかは特に綴られていなかったけど、まあ現実でもどうしようもできないよな。それにしてもなかなかリアルないじめの描写だったような。 購入時の帯に書いてあった「人気作家・二階堂紡季には秘密があった」、そういえばそうだなって気はするけども、正直そこまで驚きはしなかったかな……。構成上こういう紹介にならざるを得なかっただけの話かもしれない。

Posted byブクログ

2024/06/28

とても面白い 何重にも張り巡らされた伏線 スピード感のある展開がいい! 重い内容も気持ちが沈んでしまう事無くサクサク読めてしまう。 昔からいじめは無くならないが、人を故意にいじめて何が楽しいのか全く理解出来ない。

Posted byブクログ