幻月と探偵 の商品レビュー
無茶苦茶展開ではなく、現実にありそうな(あったような)ミステリー。 けど、万人受けする作品では無いと思う。主人公がとか展開が……ということではなくて、舞台が満州でその頃の仮名遣いなどを用いてかかれているので、読み馴染みがなく、読みにくいと思うかもしれない。 満州、阿片、軍隊、シベ...
無茶苦茶展開ではなく、現実にありそうな(あったような)ミステリー。 けど、万人受けする作品では無いと思う。主人公がとか展開が……ということではなくて、舞台が満州でその頃の仮名遣いなどを用いてかかれているので、読み馴染みがなく、読みにくいと思うかもしれない。 満州、阿片、軍隊、シベリア……このあたりのワードに興味のある人にはオススメ
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フィクションとノンフィクションが交錯したミステリーは真に迫るものがあり、背景描写もとてもリアルでこの時代の満州の不安定で混沌とした様子が目に浮かぶようだった。犯人の推理もとても面白く主人公の目線で考えを巡らせながらラストのどんでん返しに岸と一緒に驚愕した!
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史実を参考にしたハードボイルドの作風で『刀と傘』『焔と雪』の歴史×本格ミステリーとは違う描写や展開を楽しめた。最初の事件から第2の事件、それらのミッシングリンクなどが昭和の時代背景や満州の土地柄と相まって「この時代だからこそ成立する不可能犯罪」という側面も著者の作品の魅力だった...
史実を参考にしたハードボイルドの作風で『刀と傘』『焔と雪』の歴史×本格ミステリーとは違う描写や展開を楽しめた。最初の事件から第2の事件、それらのミッシングリンクなどが昭和の時代背景や満州の土地柄と相まって「この時代だからこそ成立する不可能犯罪」という側面も著者の作品の魅力だった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
歴史背景を手堅く積み上げながら、その隙間を自由自在に埋めて行く感じが伊吹さんだなぁとしみじみ。 『刀と傘』あたりの舞台地よりも女性陣がよく動くのは時代もあるのか。 人を意のままに動かすアイテムとしての桜が、当人を裏切る結末へと舵を切らせるきっかけになる所が小憎いし、更に桜の花びらで捕らわれたあの人に対して桜に呼ばれるようにして自由を勝ち取った今作の人物と言う作品を超えた繋がりがしてやられた!と叫んでしまうくらい粋。
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歴史ミステリと言うより、満州国を舞台にしたハードボイルド。巻末解説によると、作者さんはロス・マクドナルドを参考にしたそうだけれど、所謂正統ハードボイルドのお約束に従って物語が進む。まあ、警官(憲兵)に痛めつけられて、それでも怯まなかったりするのはアーチャーよりマーロウですかね。ミ...
歴史ミステリと言うより、満州国を舞台にしたハードボイルド。巻末解説によると、作者さんはロス・マクドナルドを参考にしたそうだけれど、所謂正統ハードボイルドのお約束に従って物語が進む。まあ、警官(憲兵)に痛めつけられて、それでも怯まなかったりするのはアーチャーよりマーロウですかね。ミステリとしては少し軽めですが、それでも犯人の意表を突く動機が最後に明かされるホワイダニットとして読めば、これも愉しい。 ☆
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