ミモザの告白(5) の商品レビュー
全五巻ということは、読者の支持を集め続けてきたのだろう。トランスジェンダーの女の子がヒロインの物語でそれだけ支持を集めたということが(そんなこと普通になればいいのにな、と、とても残念だけれど)すごい。で、普通に、物語として面白いのもすごい。そしてこのシリーズは巻ごとに明確にテー...
全五巻ということは、読者の支持を集め続けてきたのだろう。トランスジェンダーの女の子がヒロインの物語でそれだけ支持を集めたということが(そんなこと普通になればいいのにな、と、とても残念だけれど)すごい。で、普通に、物語として面白いのもすごい。そしてこのシリーズは巻ごとに明確にテーマが設定されているのだが、最終巻(本巻)のテーマは、ずばり、シス男性はトランス女性とセックスしたいという欲望を抱けるのか? だ。それを、登場人物が全員高校生およびその保護者と教員という設定で繰りひろげる。最終巻のこの本で一番気になったのは星原で、彼女は、うーん、生まれつきお互い男性の身体である二人がセックスできるの? だって、好きって、セックスしたいっていうことだよね? ということを、最初から直接的に、はっきり問いかけている。受け手側の二人がそれをとらえ切れてないだけ。 では、その答えはなにか。ヒロインの汐や、ヒーロー(似合わないな)の紙木の選択で正しいと思う。恋愛(あるいは愛)=セックス、というのは、あまりにセックスを過大評価しすぎだ。それは、あくまで一要素でしかなく、なんなら、なくても、愛は成立する。でも、好きな相手と、抱き合って眠りにつくのって、安らぐよね。ただ、それだけのことだ。
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