日本怪奇物語 の商品レビュー

富岡直方(著者)

2025/01/15

「さぁさぁ、お代は見てのお帰りだよ。
御用とお急ぎでない方はずっとこちらの見世物公開…。」
とばかりに開く、まさに活字で描く紙上の見世物小屋。
今ではご法度な特異な体格をもつ障がい者や奇病の患者の紹介に、十代前半もしくはそれ以下で妊娠をした早熟児(作者の性癖らしい)、生来の男の娘に明らかな変態、犬も食わないどころの騒ぎではない夫婦喧嘩に刃傷沙汰、おぞましい犯罪、天変地異に異常気象などなど……。
おおらかというか、今見ると混沌の限りを尽くす明治〜戦前の珍しい話をまとめた一冊。
とはいえ、「これってSNSでも取り上げられたことあるんじゃない？」な気象現象や、似たような犯罪もあって、人が何かに下世話な興味を抱く、単純にスゴイ！と思うことって今も昔もさほど変わらないのでは？と思うこともしきり。