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緑陰深きところ の商品レビュー

3.6

5件のお客様レビュー

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2024/09/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

概ね高評価のこの作品。読み始めてみると、イライラしっぱなし。登場人物全てに共感出来ない。 日田に到着してようやく話しが面白くなってきた。 兄の奥さんやリュウのやさしさ。そこに触れた主人公もまともになるわけだが。そこに辿り着くまでには、なんでこんなに怒りっぽいの?とか不良品だと分かってるんだから警察に行けよ!とか、色々。 最後の1/3でほっとするのだが、あまりにも前半が酷すぎなので、⭐️二つ。

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2024/08/24

大阪ミナミの旧家の医者の息子と言っても70歳を超えてるんだけど、大分の日田の兄からハガキが届く。 二人の父は戦争帰りで命の恩人の娘と兄が許嫁となる。結婚式の日、弟と娘が駆け落ちしていた。連れ戻された娘と兄は結婚するが5年後に嫁と娘と義父を巻き添えにした無理心中をはかり、死にきれず...

大阪ミナミの旧家の医者の息子と言っても70歳を超えてるんだけど、大分の日田の兄からハガキが届く。 二人の父は戦争帰りで命の恩人の娘と兄が許嫁となる。結婚式の日、弟と娘が駆け落ちしていた。連れ戻された娘と兄は結婚するが5年後に嫁と娘と義父を巻き添えにした無理心中をはかり、死にきれずに刑期を務めた後、日田で暮らしていたようだ。 70歳を超えた弟が最愛の女を殺された恨みを晴らすために思い出の日野のコンテッサに乗って兄を殺しに旅立つ。このコンテッサがニコイチの悪徳車で売った店の元店長がついてきたり、病気だったり、その恋人が現れたり、クネクネしながら最期に向かう。 そして兄は既に死んでおり、無理心中というより妻の精神混乱による殺人の濡れ衣を自ら買っていた事がわかる。 生きるとは、血筋とは、恨みとは、なんだか難しい話が飛び交いながら終わっていく。

Posted byブクログ

2024/09/10

コンテッサ1300クーペに乗って兄を殺しに行く。 物騒なロードノベルの始まりだ。そんな古い車で、70代の男がなぜいまさら兄を狙いに行くのか。しかも途中で追いかけて来た、金髪のひょろっとしたホームレスの兄ちゃんとともに。 兄の征太郎が、幸せにすると誓った嫁が死んだからなのだが、復...

コンテッサ1300クーペに乗って兄を殺しに行く。 物騒なロードノベルの始まりだ。そんな古い車で、70代の男がなぜいまさら兄を狙いに行くのか。しかも途中で追いかけて来た、金髪のひょろっとしたホームレスの兄ちゃんとともに。 兄の征太郎が、幸せにすると誓った嫁が死んだからなのだが、復讐に出る弟の紘二郎にはそうするわけがあった。そして、追いかけて来たリュウは不良な中古車を売っただけの若者なのか。 遠田潤子、やっぱり毎度のことながらその理由が気になって一気に読んでしまった。全員悪者ではないのに、どんどん人生の歯車が狂って行く様はすごい。 先に逝くのは不幸だが、看取ってくれる人がいるのは幸せと言うのだろうか。 そして幽霊医院の戸を叩いてみるのも悪くはなかったみたいだ。

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2024/08/06

一気読みがオススメな1冊。 登場人物それぞれが物語らしくないほどに人間らしく、これほどに感情を揺さぶる本があるのかと感動した。 希望が全く見えない暗い重たい物語は読了後も気持ちに影響を及ぼすが、この本は一縷の希望がひとさじアクセントとなっており、読了後も辛い気持ちはあるものの、し...

一気読みがオススメな1冊。 登場人物それぞれが物語らしくないほどに人間らしく、これほどに感情を揺さぶる本があるのかと感動した。 希望が全く見えない暗い重たい物語は読了後も気持ちに影響を及ぼすが、この本は一縷の希望がひとさじアクセントとなっており、読了後も辛い気持ちはあるものの、しっかりと前を向けるような気配がした。

Posted byブクログ

2024/07/29

暗くて重くて辛くてたまらないのに、遠田さんが紡ぐ物語の最後にはいつも必ずかすかな光が見えます。 想い合っていた女性と無理やり引き離されたうえに、彼女を奪い去った兄によって彼女とその娘が殺されてしまった。その兄から半世紀近く経って届いた葉書を見て、兄を殺しに行く決意をする主人公。...

暗くて重くて辛くてたまらないのに、遠田さんが紡ぐ物語の最後にはいつも必ずかすかな光が見えます。 想い合っていた女性と無理やり引き離されたうえに、彼女を奪い去った兄によって彼女とその娘が殺されてしまった。その兄から半世紀近く経って届いた葉書を見て、兄を殺しに行く決意をする主人公。そしてなぜだかその地まで同行することになる若者。 主人公ほどには歳を取っていませんが、同じく昭和から令和を生きている者として、さらには登場する大阪に馴染みがある者として、こんな話が実際にあるわけはないけれどあるかもしれないと思わされます。 これもひとつのハッピーエンド。 余談ですが、『ボックス!』と舞台がかぶっています。

Posted byブクログ