牧野富太郎と植物研究 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
一人称の伝記、という変わった形態の本です。玉川大学出版部の、「日本の伝記 知のパイオニア」シリーズはすべてこの一人称伝記形態のようですが、本のどこかに、なぜ本人の口を借りて語る形式にしたのか、その意図を書いてくれるとありがたいなと思います。子どもにとっては偉人に直接語り掛けられているような臨場感があるでしょうが、それはそういう仕立てであることを十分理解した上でないとフェアではないと思います。(子どもといってもこれを読めるのは中学生以上でしょうから、ある程度は創作上の工夫とか演出意図を理解できるとしても) 目的がよければ手段がなんでもよいというわけではないと思うので…本編が始まる前に、前書きで著者が「これは私の書いたもので牧野氏本人が書いたものではない」ということをきちんと書いているのは良心的ですが、もう一歩踏み込んで「ではなぜそういう形式にしたのか」を書いて欲しいです。モヤモヤします。それさえ書いててくれればなあ。(内容はよいので余計)
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