SF少女マンガ全史 の商品レビュー
少女漫画の黎明期から現在に至る、少女漫画史。軸は、SF。 すげえなあと思う。改めて。 大家ぐらいしか名前を存じ上げないが、少女漫画の方が、方が、と言っては失礼かもしれないが、真面目にSFと取り組んでいた。 著者が博学で、文章の組み立ても上手くて、乾いた文章なのだが面白く読める。...
少女漫画の黎明期から現在に至る、少女漫画史。軸は、SF。 すげえなあと思う。改めて。 大家ぐらいしか名前を存じ上げないが、少女漫画の方が、方が、と言っては失礼かもしれないが、真面目にSFと取り組んでいた。 著者が博学で、文章の組み立ても上手くて、乾いた文章なのだが面白く読める。 改めて読んでみたいなあ、と思うものもあるんだが、昔の漫画と今の漫画では全く表現方法が違うし、そもそも少女漫画をほとんど読んでないので、今更と思うところ。 一方で、じゃあ少年漫画がどう言う感じでSFに向かい合ってきたかを、読ませて欲しいとは思う。
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2024-10-27 少女マンガの成立までの概要に始まり、70〜80年代の黄金期を代表する作家/作品をまとめて紹介。紹介だけでなく、ざっくりとした作家論/作品論も興味深い。自分にとってもほぼリアルタイムだが、あとから追いかけて読んだものも多く、前後関係など初めて知ったことも多かっ...
2024-10-27 少女マンガの成立までの概要に始まり、70〜80年代の黄金期を代表する作家/作品をまとめて紹介。紹介だけでなく、ざっくりとした作家論/作品論も興味深い。自分にとってもほぼリアルタイムだが、あとから追いかけて読んだものも多く、前後関係など初めて知ったことも多かった。 にしても、やっぱり萩尾望都は特別。 参考文献は嬉しいが、出来れば人名索引も欲しかったところ。
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少女マンガの草創期から現代まで、SFマンががどのように描かれ発展してきたかを、全体状況と作家論で語る。SFといっても幅広く、本格SFからファンタジー作品まで含む。私も10代から20代にかけて少女マンガをよく読んでいたので、懐かしい作品や作家に再び会った気分だ。萩尾望都、大島弓子、...
少女マンガの草創期から現代まで、SFマンががどのように描かれ発展してきたかを、全体状況と作家論で語る。SFといっても幅広く、本格SFからファンタジー作品まで含む。私も10代から20代にかけて少女マンガをよく読んでいたので、懐かしい作品や作家に再び会った気分だ。萩尾望都、大島弓子、岡田史子、高野文子…どの人も個性的で読み応えのある作品を描いた。おっと、萩尾望都は今も現役で「ポーの一族」を描き継いでいる。早速、読んでみよう。
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初期から現在までいろいろと 具体例をあげて説明してくれているのですが ちょっと講義的すぎて…すみません。 たしかに雑誌「LaLa」や「ぶ〜け」の SFっぽい少女マンガが好きでしたが 子どもだったんで。 ただ楽しんで読んでいた気がします。 『少女マンガの宇宙』図書の家/編集(立東...
初期から現在までいろいろと 具体例をあげて説明してくれているのですが ちょっと講義的すぎて…すみません。 たしかに雑誌「LaLa」や「ぶ〜け」の SFっぽい少女マンガが好きでしたが 子どもだったんで。 ただ楽しんで読んでいた気がします。 『少女マンガの宇宙』図書の家/編集(立東舎) という本のほうが、私は楽しめました。
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全史というのはさすがに大仰に過ぎるし、内容を見ても名前負けしていると思う。全史でもなければ、批評というわけでもない。作品名の列挙と、あらすじの説明だけで本書の半分以上を占めているのではないかと思う。体感的には2/3から3/4くらいだが。 では、コミックガイドとしては優秀なのかと...
全史というのはさすがに大仰に過ぎるし、内容を見ても名前負けしていると思う。全史でもなければ、批評というわけでもない。作品名の列挙と、あらすじの説明だけで本書の半分以上を占めているのではないかと思う。体感的には2/3から3/4くらいだが。 では、コミックガイドとしては優秀なのかといえば、はるか過去の作品が多いこともあって、ネタバレもされている。それ自体が悪いことだとは思わないが、ガイドとしては使いづらいだろう。 じゃあいったいこの本はなんなのか、といえば著者の思い出と、おなじような趣味を持った人間たちとの知識の再確認である。要はオタクくさい振る舞いがなされた内容で、特に新たな知見が得られるわけではない。脈絡なく著名な哲学者や美術史の知識を出してきて、特に議論を深めるわけでもない浅はかさも、いかにもオタクくさくて辟易とする。 さすがに著者も、いまさら萩尾望都や高野文子を持ち上げて価値の再発見を謳っているつもりはないだろうが、だからといってオタク第一世代の陳腐なノスタルジーに付き合ってられるほど、いまの若い読者は暇ではないだろう。 とはいえ、取り上げられている漫画群は名作と呼ばれているものも多々ある。さすがにいま読むとしょうもなく感じるものも混じっていて注意が必要だが、先に挙げた萩尾望都などは本書でも大きく頁を割いているだけあって、未読の方でも楽しめると思う。
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SF少女マンガの通史であるが、サブタイトルに「昭和黄金期を中心に」とあるように主に1970年台から80年台にかけて活躍した作家が中心の構成となっている。 2024年に「SF少女マンガ全史」と題して出す本であるからには、米沢嘉博の「戦後少女マンガ史」「戦後SFマンガ史」の2冊に...
SF少女マンガの通史であるが、サブタイトルに「昭和黄金期を中心に」とあるように主に1970年台から80年台にかけて活躍した作家が中心の構成となっている。 2024年に「SF少女マンガ全史」と題して出す本であるからには、米沢嘉博の「戦後少女マンガ史」「戦後SFマンガ史」の2冊には書かれていない80年台から現在に繋がる流れを期待したいところだが、 90年台以降の作家については第1章の「SF少女マンガ概史」で清水玲子やよしながふみなど幾人かがざっくりと紹介する程度で、2章以降の個々の作家や作品の論評ではほぼ言及がない。それに対して、大島弓子や岡田史子、内田善美、高野文子といったSFマンガというとちょっと疑問符が付く作家に紙幅をかなり割いており、「全史」というぐらいならもっと取り上げるべき作家はいるだろうにと思わざるをえない。何せ高河ゆんやCLAMPすら全く出てこない。80年台以降の「リュウ」あたりから始まって「ウィングス」や「ZERO-SUM」などに続くSF・ファンタジー作品の流れはほぼ無かったことにされており、今現在、マンガを読んでいる若い層からすれば「おっさんのノスタルジー」以外のなにものでもないだろう。(老害という気はないが、マンガ評論とか書く人、ガロ・COM系と(いわゆる)24年組あたりで価値観が止まってる人多い気がする) とはいえ、古き良きSF少女マンガのガイドブックとしては悪くない。とくに第4章まるごと使った萩尾望都評は萩尾望都の本を出している著者だけあって読み応えがある。ただ、竹宮惠子への記述がけっこう悪意を感じるのは著者が萩尾望都推しの所為か。 人名と作品名の索引がないのもマイナスポイントかな。
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昭和の黄金期のSF少女まんがの多くは読んでいた。なつかしの書評。萩尾望都に1章割き評価高いが、竹宮恵子の評価が低い。
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たまたま図書館の新着の本として見つけました。少女マンガをずっと読んできた訳でもないし、SFにずぶずぶにハマっていたきた訳でもないし、一回スルーしたのですが、サブタイトルの「昭和黄金期を中心に」という言葉と表紙に掲載されている萩尾望都の「百億の昼と千億の夜」の表紙に惹かれて手に取り...
たまたま図書館の新着の本として見つけました。少女マンガをずっと読んできた訳でもないし、SFにずぶずぶにハマっていたきた訳でもないし、一回スルーしたのですが、サブタイトルの「昭和黄金期を中心に」という言葉と表紙に掲載されている萩尾望都の「百億の昼と千億の夜」の表紙に惹かれて手に取りました。その作品、ぎりぎり少女マンガSFに最接近した瞬間なので。結果、読んで正解でした。少女マンガと書き手たちが、そのフィ=ルドで自分の表現を模索する時にSFという発想がいかにそのクリエーションを豊かにしたか?という記録でした。ほぼほぼ読んだことない作家、作品でしが、知らなくても作家ガイド、作品ガイドとして十分に楽しめました。あとがきにあります。「SFは夢。少女マンガも夢。でも夢以上に、現実を生きることを支えてくれるものが、どこにあるでしょう。作者は自身と向き合って作品を書きますが、読者はそこにほかならぬ自分自身の課題を発見することになります。もちろんその”発見”は自分の過去や今に限ったことではなく、未来の発見であることも少なくありません。人間は自分自身とまったくかかわりのないものには心を動かされません。感動とは要するに”これは私のために描かれた作品だ”と思える作品との出会い、”これで私は変われるかもしれない”という可能性との出会いです。」昭和の読者たちが(男女問わず)どう可能性を感じてきたか?の歴史でした。そして萩尾望都の存在。遅まきながら「スター・レッド」はともかく「銀の三角」「バルバラ異界」はいつか読まなくちゃ。そして萩尾望都に対する熱さと竹宮恵子に対する冷たさも印象的でした。「一度きりの大泉の話」「少年の名はジルベール」からの本書、パスはバシッと繋がります。
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