はなしをきいて の商品レビュー
成長と共にある心の不安定、友だちとの距離感 、大人の決めつけやずるさへの反抗心… 私がこの年齢だった頃、こんな本はなかったなぁ。その頃読んでみたかったです。 希望通りの展開に、心がスッキリする作品です。
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性的嫌がらせを受けた女子生徒の話を「聞かない」大人たち。 被害者に非があるのではないか、男性側を貶めようとしているのではないか、声を上げるのはみっともない、たかがそれくらいのことで。そのように声をふさぐのは、よく見る光景。 それに対して友情と勇気と知略で乗り越える女子。 大人...
性的嫌がらせを受けた女子生徒の話を「聞かない」大人たち。 被害者に非があるのではないか、男性側を貶めようとしているのではないか、声を上げるのはみっともない、たかがそれくらいのことで。そのように声をふさぐのは、よく見る光景。 それに対して友情と勇気と知略で乗り越える女子。 大人が子供の声を、頭ごなしに否定する、理解しようとするが自分の考えに当てはめようとする。どちらも話を聞かないこと。 重いテーマながら、友情の育みからシスターフッド的展開に至るのも素敵。
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ヤングアダルトコーナーの新刊本コーナーで出会いました。こういうオチを持ってくるな、と思った通りのものが来て、それがとてもよかった。悩みは誰かと共有し、訴えることにつきます。悪意なく悪行をする人はいるのだから。
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タイラー母がただのモンスターペアレントなのになんでこんなに権力があるんだと思ったら教育長って……恐怖しかない。信念ではなくポリティクスのみで動く校長も最悪。こんな学校やだよー。そんな中、そっとヘイゼルの背中を押してくれるA先生だけが、学校まわりではまともな大人だった。(なぜ名前が...
タイラー母がただのモンスターペアレントなのになんでこんなに権力があるんだと思ったら教育長って……恐怖しかない。信念ではなくポリティクスのみで動く校長も最悪。こんな学校やだよー。そんな中、そっとヘイゼルの背中を押してくれるA先生だけが、学校まわりではまともな大人だった。(なぜ名前がないのでしょう?) 先日、たまたま『私の名前を知って』(シャネル・ミラー著 押野素子訳)を読んだところだった。そちらは実録で、裁判の詳細な記録でもあり、とても重たいのだけど、ハラスメント(レイプ)の被害者がなかなか話を聞いてもらえず、逆に屈辱や罰を受けるという形は同じなのだと思った。さいご、ヘイゼルのスピーチがちゃんと受け止められてよかった。
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権力者に信じてもらうことの難しさ、自分を表現することの大切さが伝わる1冊。簡単にまとめて終わらない展開も良い。
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アメリカの中学生の学校生活を通して、同級生によるセクシャルハラスメントや教師によるパワーハラスメント、ルッキズムなどについて考え、行動することを疑似体験できる物語。 中学時代というのは、心身ともに成長段階に大きな個人差があり、ゆえに悩みも尽きない。 冗談交じりで放った言葉が、気...
アメリカの中学生の学校生活を通して、同級生によるセクシャルハラスメントや教師によるパワーハラスメント、ルッキズムなどについて考え、行動することを疑似体験できる物語。 中学時代というのは、心身ともに成長段階に大きな個人差があり、ゆえに悩みも尽きない。 冗談交じりで放った言葉が、気づかぬうちに自分をセクハラの加害者にしていることもある。 しかし、この物語の登場人物であるタイラーは確信犯だ。母親からのプレッシャーに一因があると言えなくもないが完全にアウトだろう。 主人公のヘイゼルは家でも学校でも優等生。 昨年キラキラ女子のエラ・クインにスピーチコンテストで負けてしまい、今年は絶対リベンジしてやる!と息を撒いている。 自分と対極にいるエラ・クイン。金髪で人気者でいつでも取り巻きがいて...。 そんなエラ・クインの悪口をタイラーに聞かされる。 タイラーの眼中にないヘイゼルは格好の聞き役で、どこまでが本当か分からないがなんとなく彼のいうこと信じていた。 しかし今度はエラ・クインから打ち明けられた話を聞いて、ヘイゼルは自分の思い込みや見方が間違っていた子に気づき、大きな決心をする。 テンポよく進む話に引き込まれる。 日本の中学でも生徒同士のトラブルはあるけれど、同性同士のもめごとが多いような気がする。 ヘイゼルの目を通して大人も学べることが多い。
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大人でも寝る間も惜しんで読むほどおもしろかった。ひとをさまざまな角度から見ることの大切さに気づかされる。声をあげる勇気をもらえるおはなし。
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話自体がスカッとするのもだけど、根暗で、友達がいないと思われてて、実は自分でもちょっとそう思ってるけど、実際すごく賢くて、かなりいいやつな主人公ヘイゼル。物語の主人公として変わったキャラクターです。でも人間て普通はこれくらいには多面的で、場面に応じてキャラが違うものなので、逆に身...
話自体がスカッとするのもだけど、根暗で、友達がいないと思われてて、実は自分でもちょっとそう思ってるけど、実際すごく賢くて、かなりいいやつな主人公ヘイゼル。物語の主人公として変わったキャラクターです。でも人間て普通はこれくらいには多面的で、場面に応じてキャラが違うものなので、逆に身近に感じるような気がしました。わかりやすい「お調子者」とか「おっちょこちょい」などのよくあるキャラ造形のあるあるを参照させることで話は早くなる代わりに、そこで起こる出来事の『お話感』『つくりごと感』が知らず高まって、お話と読者の間に溝が生まれるということがあると思うのですが、この物語は類型的なキャラ造形を避けることで、とても濃い感情移入を可能にしていると感じます。だからこそ、ヘイゼルが『こいつ私のことナメてんな』って嗅ぎつけてキレて詰める姿が最高にいい。人から軽んじられたことで生じるムカつきを明瞭に描いていて、グイグイ読ませます。 中学校でおきる、SNSを通じた子ども同士でのセクハラを扱った小説なのですが、友情と、自分を知る小説としてめっちゃいい。 こんなことが起こったら、ショックを受けたりムカついたりして当然なんだっていう健全さも有難いし、怒りの描写が爽快。ムカつくよな!って物語が読み手の怒りを肯定してくれているよう。 最初は宿敵(のちの親友)の親友だったライリーとの距離がじょじょに縮まっていくところの描き方が、さりげなさすぎるのに疑いようがなさすぎて、う、うま〜〜ってなってしまった。こんな傾斜角1度みたいな微妙な人間関係の変化をよく描けるな〜と感心しきり。子育てオタクのパパとママもかわいかったです。文章うまくて、大人が読んでもおもしろいです。
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