資本主義の宿命 経済学は格差とどう向き合ってきたか の商品レビュー
これ分かりやすい。 新書の役割をよく果たしている良書といえるかも。 経済の効率性と格差の関係がよくわかる。そのうえで現在の日本が、経済優先の非福祉国家であるという残念な事実もよくわかる。 経済と福祉を両立させるための施策がきっとあると信じたいところだ。
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格差研究の歴史、ピケティとピケティ以降、経済成長と公平性、日本は福祉国家を目指すべき 【目次】 第1章 格差の現実 第2章 資本主義社会へ 第3章 資本主義の矛盾に向き合う経済学 第4章 福祉国家と格差社会 第5章 ピケティの登場 第6章 ピケティ以降の格差論 第7章 経済成長...
格差研究の歴史、ピケティとピケティ以降、経済成長と公平性、日本は福祉国家を目指すべき 【目次】 第1章 格差の現実 第2章 資本主義社会へ 第3章 資本主義の矛盾に向き合う経済学 第4章 福祉国家と格差社会 第5章 ピケティの登場 第6章 ピケティ以降の格差論 第7章 経済成長か、公平性か 第8章 日本は格差を是正できるのか 【内容紹介】 社長と社員の給与格差、どれくらいならOKですか? 日本では、資産5億円以上の超富裕層は9万世帯。単身世帯の34・5%は資産ゼローー。 富裕者をより富ませ、貧困者をより貧しくさせる今日の資本主義。 アダム・スミスやマルクス、ケインズ、そしてピケティは、「富と貧困」の問題をいかに論じてきたか。 経済学の歴史に学びながら、経済成長か格差是正か、資本主義のジレンマについて考え、今後の進むべき道を提示する。 ●先進国のなかでも所得格差の大きい日本 ●日本の相対的貧困率は15.4% ●なぜ若者と高齢者の貧困率が高いのか ●最低賃金以下で働く人の割合は1.8% ●日本の生活保護の捕捉率は20%前後 ●自由な経済活動がもたらす勝者と敗者――ヒューム ●アダム・スミスは経済学者か道徳哲学者か ●空想的社会主義者たちの格差是正策 ●マルクスへの橋渡しをしたJ・S・ミル ●失業者の発生を明らかにしたケインズ ●福祉国家の先駆けはビスマルクのプロシャ ●ウェッブ夫妻のナショナル・ミニマム論 ●税収を財源とするデンマークの福祉制度 ●高所得者の動向を分析したピケティの衝撃 ●逆進性が強いアメリカの所得税制 ●所得格差の大きい共産主義国・中国 ●日本の年収1000万円以上は5% ●アメリカ超富裕者たちの脱税率 ●日本の所得税の最高税率はどう変わったか ●家族の変化と福祉国家への道
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格差をどうやって測るか。高所得者と低所得者の差、貧困率、高所得高資産の割合、など。 結果の格差か機会の格差か。 トップ何名かの高所得者の所得が総所得に占める割合、ジニ係数、アトキンソン指標、タイル指標、対数分散、などがある。 最も単純で頻繁にも値いられるのはジニ係数(再分配後)。日本は一気に拡大した。先進国の方が格差が大きい。 相対的貧困率=中位所得の50%に満たない所得の割合。国際比較が容易。 生活保護基準、絶対的貧困率、相対的貧困率は、2006年で14%、どれも大差はない。 若者と高齢者に貧困者が多い=若年層の採用控え、高齢者の仕事がない、など。 生活保護の補足率が20%程度、西欧では50%を超えている。 平等主義は経済を弱くする(ヒューム、ケネー) トリクルダウン(サン・シモン)しかし、中国では失敗。 ワルラスの一般均衡分析はミクロ経済学の完成型。パレードによって完結した。 厚生経済学(ピグー)ヒックス、サミュエルソンなどが再分配政策を定義した。 プロシアのビスマルクが社会保険制度を成立させた。労働者が一生懸命働くために、健康保険、災害保険、老齢年金の三部作を作った。アメとムチによる政策。 イギリスはドイツから学び、ウェッブ夫妻のナショナルミニマム論をを元にゆりかごから墓場まで、の社会保障制度を確立した。 p90
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格差と向き合って資本主義を深掘りした良書。 そう。格差。私の現状持つ問題認識と一致する。 データをもとに、現状の日本は格差が大きい国、と断言している。 私の漠然とした感覚を明らかにしてくれている。 高所得者の多くはオーナー経営者、というくだりがある。 これはまっとう...
格差と向き合って資本主義を深掘りした良書。 そう。格差。私の現状持つ問題認識と一致する。 データをもとに、現状の日本は格差が大きい国、と断言している。 私の漠然とした感覚を明らかにしてくれている。 高所得者の多くはオーナー経営者、というくだりがある。 これはまっとう。こうでなくては、と思う。 問題なのは、そうではないサラリーマン社長。 偏差値エリートかつ社内政治でのし上がり、コスト削減で利益を出し株主にいい顔 しているだけの無能経営者がのうのうと高い報酬を得ている。 これは公平感まるでなし。 末端の社員、いや、社員ですらない下請けが雀の涙、時給1000円程度の最低賃金 でいる中、サラリーマン経営者がその50倍くらいをもらってるとしたら、、 説明つかない。 何かのタイミングで日本の経営者の報酬が低い、アメリカをまねよう、 というところからこうなってしまった。オーナー以外は低くていいのだ。 学生時代勉強してきたから、社畜として働いてきたから、、、 そんなもんでそんな差がついてはいけない。と思う。 累進課税でもっと取って所得再分配すべきだ。 新自由主義で悪者にされているわれらがミルトン・フリードマン教授は 負の所得税という概念を打ち立てている。これぞ再分配。 同時に最低賃金を否定している。 これは教育期間はそれより低くしないと企業がその人を雇わない、と。 実際日本は最低賃金1,000円すら払えない零細企業が多数あるという。 だから留学生を低賃金で雇う、という悪手に出たわけで。 貧しい日本。欧米の半分。 そうなった要因の一つに、利益を得た大企業が内部留保ばかりしている、 というのがある。サラリーマン経営者が現業に投資しないから。 悪循環だ。 格差の根っこは日本の偏差値優遇教育にある、と見る。
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この国の貧困差は拡がっていくような気がします。 普段あまり読まない分野だったので、大変勉強になりました。
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「教育」「勤労」「納税」は権利となり、教育を受けて、勤労し、国の政策に対し喜んで納税し、安心安全で幸福な生涯を送ることができる成熟した国にならないといけないと思いました。また、格差是正の問題視に特定の分野がなく、教育、労働、社会、政策、経済、と各方面から語られることに解決の難しさ...
「教育」「勤労」「納税」は権利となり、教育を受けて、勤労し、国の政策に対し喜んで納税し、安心安全で幸福な生涯を送ることができる成熟した国にならないといけないと思いました。また、格差是正の問題視に特定の分野がなく、教育、労働、社会、政策、経済、と各方面から語られることに解決の難しさを感じます。
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本書は経済学の歴史から、格差問題にどのように向き合っていたかを分析・解説し、現代の資本主義社会における格差の実態と課題を分析している。 富裕層と貧困層の格差が拡大している背景として、富裕層に有利な制度が多く、一度貧困層になってしまうと抜け出しづらい状況であると指摘している。国家と...
本書は経済学の歴史から、格差問題にどのように向き合っていたかを分析・解説し、現代の資本主義社会における格差の実態と課題を分析している。 富裕層と貧困層の格差が拡大している背景として、富裕層に有利な制度が多く、一度貧困層になってしまうと抜け出しづらい状況であると指摘している。国家として格差を是正する施策を打っていく必要があると説かれている。 国の施策はすぐには変わらないだろうし、個人的には現状の状況を把握し、自分にとって有利になる政策や補助の情報にアンテナを張り、うまく活用できるようにしたいと思った。 本書の意図とは外れてしまうが、格差があろうがなかろうが、個人の考え方、工夫次第で幸福にはなれると信じている。 現に貧困層である自分は、特に金銭的に困っていないし、毎日充実して幸福である(白目)
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経済格差と資本主義の問題に迫る内容がとても興味深かった。これからの経済のあり方を深く考えさせられた。
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