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室外機室 ちょめ短編集 の商品レビュー

4.7

11件のお客様レビュー

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2026/04/19
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※このレビューにはネタバレを含みます

ファンタジー系の短編集。 緻密な背景とすっきりしたキャラクターデザイン、凝った世界観と緩やかなドラマのギャップが楽しめる一冊です。読みやすい語り口なのに情報量が多く、くすっと笑えてじんわり泣ける、不思議な読み味の短編集でした。 個人的には「接ぎ穂」と「21gの冒険」が特に印象に残りました。 ◇接ぎ穂 12ページしかない同人誌を買ったところ、読むたびに内容が変わり、毎回面白いところで終わってしまう——というマジックリアリズム的な設定の作品。 読んだ内容を記録できないため、なんとなく残った印象を頼りに、主人公が自ら続きを書き始める。 他者から受け取った面白さの種が主人公の中で開花し、新たな創作物として生まれ変わり、やがてまた別の誰かへと受け継がれていく。技術論を一切語らず、創作への純粋な愛だけで一本書ききったのは、むしろ潔くて珍しいです。 オカルト的な設定でありながら誰も傷つかない、優しい世界観も好印象でした。 ◇21gの冒険 交通事故で亡くなった女性が幽霊となり、することもないので自分が入る墓を目指して冒険する物語。 亡くなった人間は魂が尽きるまで幽霊として街を彷徨うという設定が、優しさと儚さを同時に漂わせていました。 年齢以外の素性が一切語られないまま淡々と冒険していく展開はさっぱりとしていて心地よく、それでも読み進めるうちに自然と思い入れが深まっていく。 未練を残さず静かに消えていった彼女ですが、思わず涙ぐんでしまいました。

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2025/11/24

日常の隣にあるファンタジー。 ちょっと足を踏み外したら迷い込む、こんな世界が、本当にありそう。 そういう感じはpanpanyaに近い。 でも絵柄は等身大なので、よりエモーショナルに世界を味わえる。 といったゴタクは野暮かな? 単純にこの本好き。

Posted byブクログ

2025/01/27

同人誌即売会で購入した“読むたびに内容が変わる同人誌”から理想のフィクションの思考を伸ばしていく「継ぎ穂」、事故に遭って霊体となった自身の身体を乗りこなしながら空を旅する「21gの冒険」、ラジオから漏れてくる今いる自分の世界とは地続きにあるとは思えない国の情勢に耳を傾ける「混信」...

同人誌即売会で購入した“読むたびに内容が変わる同人誌”から理想のフィクションの思考を伸ばしていく「継ぎ穂」、事故に遭って霊体となった自身の身体を乗りこなしながら空を旅する「21gの冒険」、ラジオから漏れてくる今いる自分の世界とは地続きにあるとは思えない国の情勢に耳を傾ける「混信」、図書館の地下に広がる異空間に迷い込む「地下図書館探検譚」の4編が収録された短編集。いずれも著者が個人出版した作品をまとめたもので、本書が商業デビュー作とのこと。先人が教えてくれたものを自分なりに後世に伝えたいという作り手の信念を描いた「継ぎ穂」がとくに気に入った。

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2024/10/12

日常の中にぬるりと入ってくるような不思議なお話たち。 こういうファンタジー漫画の短編集、めちゃくちゃ良い。お気に入り。

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2024/08/28

ちょめ先生の初単行本となる短編集。 コミティアで存在するのに実在しない本を買ってしまったお話「継ぎ穂」。 事故死した女の子が成仏するまでの束の間の冒険「21gの冒険」。 毎週金曜日の夜ラジオで日本っぽい異国の惨状が伝えられる「混信」。 人の人生が綴られた本を集めた図書館に迷い混む...

ちょめ先生の初単行本となる短編集。 コミティアで存在するのに実在しない本を買ってしまったお話「継ぎ穂」。 事故死した女の子が成仏するまでの束の間の冒険「21gの冒険」。 毎週金曜日の夜ラジオで日本っぽい異国の惨状が伝えられる「混信」。 人の人生が綴られた本を集めた図書館に迷い混む「地下図書館探検」。 全4話どれも面白かったです。 雰囲気的には「世にも奇妙な物語」っぽさがありますね。

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2024/08/12

日常から不思議な世界へと入り込む短編集。本や図書館の幻想物語が特に良かった。絵柄も雰囲気もお気に入りです。

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2024/06/16

本屋で見かけて表紙買い。 日常から少しずつズレていく不思議な話で構成された短編集。 描き込みがすごくて圧倒される。 自分もラジオをよく聴くので「混信」が特に好きだった。

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2024/06/14

「SFにホラーに幻想文学!こんだけいろんなジャンルより取りみどりなのに、自分じゃ覚えてらんないんだもんなあ」 という極上ファンタジー短編集。日常からぴょんとジャンプしてファンタジーに入り込む具合が素敵。漫画が上手い!という感じの1冊です。初出は同人誌。 作者の他の同人誌も買える...

「SFにホラーに幻想文学!こんだけいろんなジャンルより取りみどりなのに、自分じゃ覚えてらんないんだもんなあ」 という極上ファンタジー短編集。日常からぴょんとジャンプしてファンタジーに入り込む具合が素敵。漫画が上手い!という感じの1冊です。初出は同人誌。 作者の他の同人誌も買えるものは全部買ってしまった。 「接ぎ穂」 ある同人イベントで奥付もサークル名もない12ページの漫画を買ったお話。 その本は、画像をネットに上げても写真に残してもトレースしても消えてしまい、残すことができない。そして読むたびに内容が変わる。そのどれもが主人公にとってどストライクなのだ。内容を文章や模写で書き留めていったノートはどんどん溜まっていき・・・、ラストが好き。 「21gの冒険」 27歳にして交通事故で幽霊になった主人公が、風に飛ばされふわふわしながら、自分の入る予定の墓でも目指すか、と空中散歩する。21gと言えば有名な重さだ。余韻が素晴らしい。 「混信」 夜中にラジオを聴いていたら、知らない県名のニュースが聞こえてきた。もちろん調べても出てこない、ある日、そのラジオから空襲警報が流れてきて・・・やはりラストが良い。 「地下図書館探検譚」 図書館で見知らぬ階段を下りたら異世界に紛れ込む話。その地下図書館の本は1冊がひとりの人間の年代記になっていて・・・。一番長い編。シチュエーションだけ並べると良くある話だけど、やはり印象が良い。ずらーっと並んだ・積み上げられた本を適当に書かずに1冊ずつ手書きしているところに狂気すら感じる。 いちばん好きなのは接ぎ穂かな~。ツイッタにも丸ごとあるのでぜひ。 https://x.com/tyomevv2/status/1798989117583495409

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2024/06/12

Twitterで見かけて、これは絶対に面白いと確信したので紙の本で購入。そしてさればよ、完璧!!!物語の始まりと終わりをそっと物語の階層で包むやつがカッコ良すぎて身悶えした。 すべての短編が素晴らしい書き込みに満ちていて、読んでいて純粋に楽しい。個人的には「混信」に横たわる物語へ...

Twitterで見かけて、これは絶対に面白いと確信したので紙の本で購入。そしてさればよ、完璧!!!物語の始まりと終わりをそっと物語の階層で包むやつがカッコ良すぎて身悶えした。 すべての短編が素晴らしい書き込みに満ちていて、読んでいて純粋に楽しい。個人的には「混信」に横たわる物語への視座に唸るところがあった。 まごうことなき傑作、著者のさらなる活躍に大いに期待したい。

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2024/05/31

「室外機室」というタイトルとカバー絵だけでもうこれは絶対に面白い本だと確信して購入。実際に読んで見てもその期待を裏切らない出来。 収録作はどれも面白い。 「継ぎ穂」は読むたびに内容が変わる不思議な同人誌の話で創作系の活動をしているひとにはささりそうなお話。 「21gの封建」は交通...

「室外機室」というタイトルとカバー絵だけでもうこれは絶対に面白い本だと確信して購入。実際に読んで見てもその期待を裏切らない出来。 収録作はどれも面白い。 「継ぎ穂」は読むたびに内容が変わる不思議な同人誌の話で創作系の活動をしているひとにはささりそうなお話。 「21gの封建」は交通事故で死んだ少女が霊になって自分の墓を目指すという話しで浮遊感とラストの拡散していく感じが良い。 「混信」は深夜ラジオを聞いていると現実とは異なる世界の番組が流れてくるという話で70年台あたりの日本SF、小松左京あたりが書いてそうな話。 「地下図書探検譚」は図書館の地下にある不思議な空間に迷い込むという話で、物語自体はありきたりだけどディティールで読ませるタイプの作品。 時々、こういう才能を持った人が突然現れるから面白い。

Posted byブクログ