淡島百景(5) の商品レビュー
急に結論から話すタイプ 瓦解してしまったのだ私の全てが 憧れと賞賛は憎しみの原動力となった そうなる可能性も織り込み済みで納得したんだ
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13年かかって完結。 不幸なことにアクチュアルな題材となってしまったが、人と人が関わることで生まれる濁りと光を、極力誠実に描いていると思う。 150pから数ページにわたる誠実な言葉。 しかもアニメ化決定したらしい。 昨年くらいか、志村先生ご自身が宗教3世であることをnoteで発...
13年かかって完結。 不幸なことにアクチュアルな題材となってしまったが、人と人が関わることで生まれる濁りと光を、極力誠実に描いていると思う。 150pから数ページにわたる誠実な言葉。 しかもアニメ化決定したらしい。 昨年くらいか、志村先生ご自身が宗教3世であることをnoteで発信しておられたり、愛猫がお亡くなりになったりしていると知って、大丈夫かしらんと思っていた。 しかも本作の少し前に「おとなになっても」が完結したので、なおさら。 で、いま検索してみたら、知らなかった……新連載がふたつも。 一穂ミチ原作「オンリー・トーク」は納得の組み合わせ、これは単に期待しているが、 もうひとつが「そういう家の子の話」! さすが創作者のガッツ。 心配など不要だったのだ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
それでも淡島に未来を思いたかった。この言葉がとても重い。 誰かが選ばれて、誰かは選ばれない世界で、憎しみを持たずに、それを表現せずにいられる人なんていないだろう。誰だって後ろめたいところがある。でも勝手に後ろ指をさし、気持ちをお察しして語る。淡島じゃなくてもこの感情を誰もが知っている。多かれ少なかれ、誰かを恨み、憎み、排除しようとしたことはあるだろう。新約聖書に、誰も罪を犯したことのない者が石を投げなさい、とイエス様が言ったら、誰も石を投げなかった、という話がある。だから語られる物語にセンセーショナルな意味を見出そうとしたり、語ろうとしたりする。石を投げようとしてしまう。例の件でもそうであるように。 「それでも」なのだ。きれいなことだけの世界じゃないことを知っていて、絶対に許せないことがあったとしても、それを内包してなお美しさを見せようとする世界を観ている。そんな自分も傍観者で共犯者であり、「それでも」そこに光を見ようとしている。きっと何度も読み返すし、ずっと考え続ける。噛みしめたい作品である。
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