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2024/08/10

経済新聞や週刊誌で書評を書いていた著者。本書でも、幾つかの紹介レビューが載せられていて、少し経済系に偏ってはいるが、そそられる。猪木 武徳、藤本 隆宏は今まで通ってこなかったので、また、読みたい本リストに追加。世界が広がる。 ー 吉本隆明や高坂正のような本と出会う導きの糸となっ...

経済新聞や週刊誌で書評を書いていた著者。本書でも、幾つかの紹介レビューが載せられていて、少し経済系に偏ってはいるが、そそられる。猪木 武徳、藤本 隆宏は今まで通ってこなかったので、また、読みたい本リストに追加。世界が広がる。 ー 吉本隆明や高坂正のような本と出会う導きの糸となったのは、中央線の東中野にあった「文学学校」に2年通ったことだった。この学校は後に知ったが、共産党の非主流派の集まりが作った拠点だった。中野重治、佐多稲子、久保田正文などが講師陣に揃っていたが、イデオロギー(目的意識)は別として良い講師陣だった。それゆえ講義は聞き応えがあり、前回の授業に関しての「感想」を翌週に提出させるという講師もいて、どこまで講義を理解していたのかは別として、そのコメントカード、ともいうべき一文の各参加者(生徒)の感想がとても新鮮だった。それぞれの理解が異なっていたり、同一であったりしたが、とくに異なったコメントを聞いていると、それぞれの本への理解の深さや、浅さが伝わってきて、とても楽しかった。 ー また文学学校には講義の他に、組会(大学のゼミと似ていた)があって、私は詩人の菅原克己の組会に入った。組会は楽しかったが、菅原克己はよく「詩を書いても飯など食えない、詩を書くよりも田を耕せ」と言っていた。まったくそうだった。菅原克己自身も、美術学校を中退して以来、暮らしのために、あちこちの雑誌の挿絵を書いていた。 つまり詩を書いていたのでは飯が食えなかった。日本の現代詩への橋渡しという存在であった萩原朔太郎ですら、夏を過ごすために軽井沢に行こうと考え、新潮社に印税の前借りを頼んで断られるという状況だったのである。この事実は「日本経済新聞」の書評欄を引き受けた頃にはじめて知った。 話が少し戻るが、この「文学学校」は、野間宏、徳永直などを中心に、1953年に阿部知二を初代校長として設立された。私が通った東中野の「文学学校」は、その半年後に「新日本文学会」によって開かれたものだった。とはいえ、この学校がその後どうなったのか、不明にして筆者は知らない。 また「文学学校」は大阪にもあり、詩人の小野十三郎が初代の校長で、そこの講師師も素晴らしかった。たとえば、高橋和巳、鶴見俊輔、開高健、と、一時代を制した文学者が揃っていた。 ともあれ、1960年代の初期までは大学進学率が10パーセントの時代だったそれゆえ、セカンド学習が必要とされていた。また若者たちの学習意欲も高かった。 ー 学ぶということに貪欲だった時代といってよい。本を読む事は、そのまま他者の ものの見方、考え方を知ることになった。 読書仲間のような存在は私にはいないし、読んだ本の中身をリアルに会話するのは好きではない。しかし、時々、本を貸してくれたり、寄贈してくれる人がいて、有難い半面、感想を聞かれたり、読むペースが狂って困る事がある。本は好きだが、マイペースで不器用。他人のレビューを読んで、読みたい本リストを作る位がちょうど良い、というかそこからポチりながら消化していくのが、一番の楽しみである。

Posted byブクログ

2024/05/07

どの本を読むかを決めるのは自分だが、自分の考えだけでは見渡せる範囲は狭い。約3000冊の本の書評を書いてきた著者が感銘を受けた本を知り、広い視野での本選びをする参考にしたい #本を読む #中沢孝夫 24/5/2出版 #読書好きな人と繋がりたい #読書 #本好き #読みたい本 ...

どの本を読むかを決めるのは自分だが、自分の考えだけでは見渡せる範囲は狭い。約3000冊の本の書評を書いてきた著者が感銘を受けた本を知り、広い視野での本選びをする参考にしたい #本を読む #中沢孝夫 24/5/2出版 #読書好きな人と繋がりたい #読書 #本好き #読みたい本 https://amzn.to/4aVJJo0

Posted byブクログ