国家の命運は金融にあり 高橋是清の生涯(下) の商品レビュー
下巻は高橋是清の日露戦争後の政治家としての半生を綴っている。日銀総裁から大蔵大臣、そして短期間の総理大臣経験を経て数度に渡る大蔵大臣再登用。普通、総理大臣の経験が政治家人生の絶頂期となりそうなものだが、高橋是清の場合は大蔵大臣としての八面六臂の活躍の方が際立っているのが面白い。 ...
下巻は高橋是清の日露戦争後の政治家としての半生を綴っている。日銀総裁から大蔵大臣、そして短期間の総理大臣経験を経て数度に渡る大蔵大臣再登用。普通、総理大臣の経験が政治家人生の絶頂期となりそうなものだが、高橋是清の場合は大蔵大臣としての八面六臂の活躍の方が際立っているのが面白い。 下巻のハイライトは金融恐慌時の金本位制からの離脱と、赤字国債の日銀引受による積極財政であろうか。いずれもこれまでの慣例にとらわれず、状況に即した政策を是々非々かつスピーディーに実行に移している。意思決定の基準軸をしっかりと持ち、経済社会を丹念に観察することの大切さを本書から学んだ。
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