原子力は誰のものか の商品レビュー
「原爆の父」は戦後、水爆開発に反対して公職を追放された。科学者の信念と国家の戦略が対立するとき天才物理学者は何を思ったのか。〈解説〉松下竜一・池内 了
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今年、オッペンハイマーの映画が日本でも公開されたこともあってか、図書館で目にしたので読んでみました。 「原爆の父」と呼ばれたオッペンハイマーによる、原爆開発や水爆開発に関する講演録と手紙が主な内容なのですが、正直言って読みにくいですし、よくわからない部分が多い本でした。 しかも...
今年、オッペンハイマーの映画が日本でも公開されたこともあってか、図書館で目にしたので読んでみました。 「原爆の父」と呼ばれたオッペンハイマーによる、原爆開発や水爆開発に関する講演録と手紙が主な内容なのですが、正直言って読みにくいですし、よくわからない部分が多い本でした。 しかも、講演録の方が、よくわからない部分が多いように思いました。 わかりにくさの原因について、最初は、「オッペンハイマーの話(講演)が下手、あるいは、翻訳が下手なのだろう」だと思って読んでいたのですが、終盤でようやく、「オッペンハイマーの立場上、軍事機密を中心に、言えないことや書けないことがたくさんあるがゆえに、読みにくかったり、わかりにくかったりする内容にならざるを得なかった」ことに気づきました。 国家のような巨大な組織のあり方とか、国家間の争いとか、第二次世界大戦ごろの社会とか、科学者の性(さが)を考えたり、知ったりする資料としては、読む価値があるかもしれません。 が、とにかくわかりにくい部分が多いので、科学や物理、とくに原子力に関する知識に自信がない人は、避けた方がよい本だと思います。 それでも読みたい場合は、あとがき部分だけ読めば十分だと思います。
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