本日も晴天なり の商品レビュー
幕末に近い江戸。 つつじ栽培で糊口をしのぐ鉄砲同心一家のお話。 主人公は、嫡男だがいまだ部屋住みの身、鉄砲の鍛錬よりつつじ栽培が何よりも好きな礫丈一郎、そして、質実剛健、でも頑迷で人の話を聞かない父親の徳右衛門、少々ぼけ気味だが、徳右衛門の頭を唯一押さえることができる祖母、お...
幕末に近い江戸。 つつじ栽培で糊口をしのぐ鉄砲同心一家のお話。 主人公は、嫡男だがいまだ部屋住みの身、鉄砲の鍛錬よりつつじ栽培が何よりも好きな礫丈一郎、そして、質実剛健、でも頑迷で人の話を聞かない父親の徳右衛門、少々ぼけ気味だが、徳右衛門の頭を唯一押さえることができる祖母、おとなしいが実は芯のある母、気の強い妻のみどり、さらに息子、計六人の、ワイワイガヤガヤと楽しく、ほほえましい家族物語だ。 始めは、頭の固い徳右衛門や、みどりの気の強さが、なんとなく鼻についていたが、読み進めるうち、どの登場人物のそうした欠点が、何だかとても愛おしく、おかしく、いつまでもいつまでも、触れていたい気になる。 何気ない日常話もあり、また、テロの企てにまきこまれもし、飽きさせない、ストーリー展開だった。
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