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事例からわかる相談担当者のための 障害者差別解消ガイドブック の商品レビュー

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2024/11/19
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平成28年に差別解消法が施行され今年令和6年4月障害者差別解消法が施行されました。障害者差別解消方って何よと言えばまず出てくるのが「合理的配慮」ができているかということです。 で、この「合理的配慮」って何よ?という話ですがこれが大変わかりにくい。障害者を差別することなく社会的に配慮して対応せよという話なのですが…これがアバウトというかグレーというかケースバイケースというか。 なので具体的事例を挙げてそこを考えようじゃないかというのが本書だと思われます。 事例は個別で割とピンポイントながら、似た状況を当てはめて広く解釈出来る事例を取り上げていると感じたので、本書は結構現実的に事例を当てはめられるのではないかと思いました。 しかし現実的に対応できるかは別の話と思われます。 p92「合理的配慮の不提供と言えるためには障害のある人から現に社会的障壁の除去を必要とする旨の意思の表明が必要」とあります。 でもこれは現実的な局面においては結構難しいのではと思いました。理屈はわかるしそうあるべきとも思うのですが… また、知的障害の方で、一般の方のように好きなことをしていてパニックなどを起こした時にその場での受け入れや対応の拒否をうけてしまったというケースで(p135)合理的配慮を持って対するとありますが、その具体的対応の仕方として知的障害の方に対して理解を求めるため絵を描いたカードを作って伝えるなどの対応をする、「やってはいけないこと」を具体的に言葉にして共有するとあるのですが、今現在どこの事業所(この例の場合はコンビニ)でもそこまで障害を持つ利用者のためにしてくれるだろうかと正直疑問を持ちました。 「合理的配慮」という言葉すらまだ行き渡ってないのが現実なのではないかなと感じました。 そのあとに事例としてあった知的障害の方に自治会役員を求めるという事例(p141。実際にもそういう事例があったと思います)では、自治会というものが活動内容から判断して事業者にあたると言えるということにちょっと驚きました。 グループホームの新規設立における合理的配慮とは?、警察官がするべき合理的配慮とは?、と具体例があげられているのですが今の段階では「理想」という感が否めない様に感じられます。 法的義務になったということで遵守されなければ罰則を受けることもこれからはあるかもなのですが、果たして世の中の人の意識が今現在そこまで到達しているかはかなりグレーなのでは、と感じます。 「相談担当者のための」とメインタイトルの上にただし書きのように書かれてあるので本書は事業者向けなのでしょう。広く行き渡ることを願います。

Posted byブクログ