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日本型開発協力とソーシャルイノベーション の商品レビュー

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2024/08/30

 野中の「SECI」プロセスによるイノベーション・モデル を、JICAの活動をケースとして照らし合わせながら読み解いている。立ち位置の違いによるイノベーションとの関わり方がよく理解できる。仮説として設けたパーパスをいかに実現していくか、場合によってはパーパスそのものの変更もやむな...

 野中の「SECI」プロセスによるイノベーション・モデル を、JICAの活動をケースとして照らし合わせながら読み解いている。立ち位置の違いによるイノベーションとの関わり方がよく理解できる。仮説として設けたパーパスをいかに実現していくか、場合によってはパーパスそのものの変更もやむなしとのあり方に本質的な難しさを感じた。合わせて、日本のあり方も考えさせられた。とまれ、JICAの活動とそれに関わるメンバーの方々の働きには頭が下がる。

Posted byブクログ

2024/07/23

その地域の文脈や状況を踏まえ、国や文化の違いを超えて、現地の多様な関係者と協働しなければ一過性の取り組みに終わり定着しないとう点において、著者の野中氏が言うように究極的とはやや誇張かもしれないが、JICAの開発援助は難易度が高い。 =========== ■クリーンダッカ・プロ...

その地域の文脈や状況を踏まえ、国や文化の違いを超えて、現地の多様な関係者と協働しなければ一過性の取り組みに終わり定着しないとう点において、著者の野中氏が言うように究極的とはやや誇張かもしれないが、JICAの開発援助は難易度が高い。 =========== ■クリーンダッカ・プロジェクト ・Word Based Approach.地区清掃事務所を設置することにより、清掃監督員のいわゆる「一国一城の主」としての自負心を大きく高めた。 ・脈々と続きていた社会や組織の仕組みは、それなりの理由があって続いているもの。(眞田) ■プノンペンの奇跡 ・事業をしない組織は衰退する。指導する側が技術を磨く機会。 ・トップランナー・キャッチアップ方式。相手国の人件費もJICAが負担する常識外のアイデア ■ミンダナオ和平 ・他の国が撤退している時に逆張りの増員(2008年)。「和平を合意する前に、まず、社会経済についてのプロジェクトが必要じゃないかしら」。(緒方) ・クイック・インパクト・プロジェクト:平和の配当として人々の目に見えるものを建設。 ■ネパール震災復興 ・「スピードは質の一部」タイミングを逃せば支援は実現できない。(室岡) ・Build Back Better。中国とインドを除けば最大の支援国。 ■SHEP ・食べるための農業を稼ぐための農業へpromotion。 ・外国政府や国際機関が支援するプロジェクトでは、参加する政府職員に対してインセンティブとして特別手当支給が国際的な慣行として定着。 ■セネガル「みんなの学校」 ・金の切れ目が縁の切れ目とばかり、援助が終了した途端に成果が雲散霧消してしまうことが少なくない状況で、自助努力を重視するJICAの努力。 ■中米シャーガス病 ・海外青年協力隊ののJICAプロジェクトの相談役としての派遣。 =========== ・日本企業の知的競争力の劣化。PdCaにて計画と評価が偏重されると本末転倒の事態を引き起こす ・Change Agentの役割を担う人々を抜擢し、変革をリードしてもらうようにすることが必要。エク・ソンチャン。 ・「国家の安全保障」ではなく、国際社会の秩序を人間・社会の延長として認識し、国家よりもむしろその最小構成単位である人間一人ひとり(個人)に注目したのが、四世紀半近く前に生まれた「人間の安全保障」。「人間の安全保障」に貢献する開発協力の活動が「経済の安全保障」にも寄与。 (感想) ・国際関係に関心はあったが、恥ずかしながら全く知らなかったストーリであり、世に知れ渡っていないのはもったいないが率直な感想。 ・国際協力専門員が主体的にプロジェクトを牽引している事例もあり、技術的な助言、指導役とは違った印象。 ・プロジェクトの持続性、成果は本部のプロジェクト担当者の個々の熱意、能力にも寄るところも大きいかと思い、個々人のパフォーマンスに過度に依存する案件管理も改善の余地があるのでは。 ・日本型開発協力は万能ではないとは思うので、他の援助機関でのサクセスストーリーも気になるところ。他の支援国からのJICA支援の客観的に認識したい。

Posted byブクログ