春の真ん中、泣いてる君と恋をした の商品レビュー
好きな人がいる。それは幸せなことなのかもしれないけれど、誰かのことを傷つけるとも、別れることもあるはず。別れることに臆病になっている奏音にとって、新生活での幼馴染との関係は少し怖いものだったのかも。と思えてしまった。大切な友達だからこそ怖いというのもあったと思うけれど。芹生と出会...
好きな人がいる。それは幸せなことなのかもしれないけれど、誰かのことを傷つけるとも、別れることもあるはず。別れることに臆病になっている奏音にとって、新生活での幼馴染との関係は少し怖いものだったのかも。と思えてしまった。大切な友達だからこそ怖いというのもあったと思うけれど。芹生と出会って過ごした2人きりの静かな時間は、どちらにとっても大切なものもだったんだな。と嬉しくなる。理由は違うけれど、傷ついた過去のある2人が、お互いに寄り添える関係を築いていけるといいな。
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不器用でやわらかくて、優しい。これはまるで作者さん本人の実話なのでは、というくらいナチュラルに飛び込んできます。 ヒロインの奏音ちゃんの傷ついた心に、優しく入り込んできた芹羽くん。二人ともとっても不器用だし、だけど本音はとっても優しい気づかいさん同志。 それが読んでいて全編通して温かな空気を醸し出してるから、感情移入のまま最後まで読み切る。 ただ不思議なことに、その感情移入は他の登場人物一人一人二も「わかる、気持ちはわかる」と自然に思わせられるのは、作者さんの腕だと思います。 心が温かくなる読後感です。
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両親の離婚で母方の祖母の家に引っ越したヒロインの奏音。 転校先の高校で出会ったのは、カノンをピアノで弾く同級生の男子、芹羽。 悩みを持つ2人が出会い、それぞれの悩みに向き合いながら、高校生活を送る、青春の物語です。 好きで仕方なくて結婚した両親が別れてしまい、好きな...
両親の離婚で母方の祖母の家に引っ越したヒロインの奏音。 転校先の高校で出会ったのは、カノンをピアノで弾く同級生の男子、芹羽。 悩みを持つ2人が出会い、それぞれの悩みに向き合いながら、高校生活を送る、青春の物語です。 好きで仕方なくて結婚した両親が別れてしまい、好きなのにどうして?と思うヒロインの奏音は、恋をする意味での好きになるということに臆病になっています。 どうせ別れるんだからと。 そんなことを思うようになった直後に奏音の新しい高校生活が始まるわけですが、ヒロインに関わる登場人物は芹羽を除いて恋に夢中。 恋のお花畑かよ!? と思うくらいに、あちこちに色恋が落ちています(笑) そして、奏音は思うのです。 好きになったら、付き合わないとダメなのか? 友達のまま、親友のままじゃダメなのか? むしろ、友達のままの方が良いんじゃないか?と。 そんな奏音が好きと向き合っていきます。 と、私は書きますが、読んでいて、今の私では、おやっ?と思うことが多い作品で、それもそのはず、年をある程度重ねてしまっている私では、彼ら彼女らの心の機微は刺さらなくて当たり前です。 ただ、私の高校時代を思い出すと、なんて良い青春と思えるほどに、悩みはありつつもこういう高校生活楽しいだろうなぁと思えるくらいには羨ましい高校生活だなと思います。 むしろ、こんな登場人物達のいるクラスで高校生活を送ってみたい!と思うくらいに。 2人の再生の物語という帯で、相当重たい話からお互いに立ち直る話だと思うと肩透かしを食らうかもしれませんが、青春ものとしては私は全然ありだと思うくらいに素敵な高校生活を覗けたなと思いました。
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