能力で人を分けなくなる日 の商品レビュー
図書館新刊コーナーより。 タイトルが気になって借りた。 著者が、他の本でちらっと出てきた人だった。 能力での順位付けは、普通にやってきた。 特に疑問もなかったし、低い順位も仕方がないと思っていた。ひねくれたけど。 人より能力があれば、より価値があるとして…。 価値を身につける...
図書館新刊コーナーより。 タイトルが気になって借りた。 著者が、他の本でちらっと出てきた人だった。 能力での順位付けは、普通にやってきた。 特に疑問もなかったし、低い順位も仕方がないと思っていた。ひねくれたけど。 人より能力があれば、より価値があるとして…。 価値を身につけるのは、他者がいることが条件になる。 人と人との間。場から価値が生まれる。 著者の最首さんは、重度障害者の娘さんに頼っているという。 仕事などの能力は無いけれど、最首さんにとっては大切。 生きるだけで価値がある、とも違うようだ。生きているのは、価値より前段階の話だと。 自分が考える相手の価値とは、自分次第なんだろうな。
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「働かざる者食うべからず」よく聞くし言ってた。 東洋というより日本人固有の気がするが、「ある」というまわりとの関係をさす言葉はしっくりくる。 単純に「死」が終わりではない、つながりという感覚。 たしかに「価値」という言葉には差別とまで言わないが、優劣を求めたりそれがないと存在して...
「働かざる者食うべからず」よく聞くし言ってた。 東洋というより日本人固有の気がするが、「ある」というまわりとの関係をさす言葉はしっくりくる。 単純に「死」が終わりではない、つながりという感覚。 たしかに「価値」という言葉には差別とまで言わないが、優劣を求めたりそれがないと存在してはいけない意味合いもある。 それは曖昧にぼかすという短所のようにも見えるが、それでいいんだと思う。 「私」とは「あなたのあなた」、相手への敬意とその敬意を受けた相手からの敬意を込めてそこに存在する。 世の中そうなるのが難しいんだろうけど、わかつ必要はないんだろうな。 97冊目読了。
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去年の春創刊した人文書の新シリーズ「あいだで考える」、文庫よりひと回り大きい判型で手触りよく軽く、「10代以上すべての人に」と銘打って、ふりがなたっぷり、イラストあり、二色刷り150ページ。巻末には芋づるの元(参考文献&おすすめリスト)。「岩波ジュニア新書」「ちくまプリマー新書」...
去年の春創刊した人文書の新シリーズ「あいだで考える」、文庫よりひと回り大きい判型で手触りよく軽く、「10代以上すべての人に」と銘打って、ふりがなたっぷり、イラストあり、二色刷り150ページ。巻末には芋づるの元(参考文献&おすすめリスト)。「岩波ジュニア新書」「ちくまプリマー新書」「14歳からの世渡り術」といった中高生向けノンフィクションへの呼び水として相次いで創刊した「岩波ジュニスタ」「ちくまQブックス」と同じような狙い(読みやすい仕様での本格読書へのスモールステップ)を感じる。 しばらくぶりで出たその6冊目。
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いつも利用している図書館の蔵書の新刊の中に最首先生の名前を見つけたので、思わず手に取ってしまいました。 著者の最首先生には、昔、仕事で間接的にお世話になったことがあります。 先生の人となりは、人づてに聞いたことがありましたが、この本を読んで、最首先生の生き方というか考え方という...
いつも利用している図書館の蔵書の新刊の中に最首先生の名前を見つけたので、思わず手に取ってしまいました。 著者の最首先生には、昔、仕事で間接的にお世話になったことがあります。 先生の人となりは、人づてに聞いたことがありましたが、この本を読んで、最首先生の生き方というか考え方というか、人生への取り組み方というか姿勢というか、そういったものを、直に感じられた気がします。 この本では、能力主義という言葉が何回も出てきますが、「能力主義を批判する」というよりは、「能力主義を疑ってみる」ことの大切さを訴えているように思います。 人間はものごとを単純な二項対立で捉えがちですが(例えば、「能力主義は是か非か」)、対立する二項を疑ってみると同時に、二項を丁寧にとらえることで、それらを包含する、より豊かな針路・進路を取ることの大切さを説いているように思います。 最首先生の懐の深さ、というか、人としての温かさ、というか、物事を丁寧に見つめ考える姿勢、というか、そういったものを感じられた一冊でした。
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