ルートヴィヒ2世の食卓 の商品レビュー
ルートヴィヒ2世は、現在のドイツ南部にあたるバイエルン王国の国王で、ワーグナーのパトロン、ノイシュバンシュタイン城をはじめとする城造りに没頭して湯水のようにお金を使い、財政破綻を危ぶんだ内閣から精神病とでっち上げられ退位、そして直後に謎の死を遂げた美しい国王、、、という大変興味を...
ルートヴィヒ2世は、現在のドイツ南部にあたるバイエルン王国の国王で、ワーグナーのパトロン、ノイシュバンシュタイン城をはじめとする城造りに没頭して湯水のようにお金を使い、財政破綻を危ぶんだ内閣から精神病とでっち上げられ退位、そして直後に謎の死を遂げた美しい国王、、、という大変興味をそそられる王様なのですが、 この本はそのルートヴィヒ2世の料理人として仕えた人の手記です。 読んでみるとルートヴィヒ2世の昼夜逆転生活や真夜中の狩り、そして遠乗り先でも宮中と同じメニューを要求するなど、やりたい放題な感じに引いてしまいました。 さらには食卓に自分以外の人物が入ることを極端に嫌ったり、食事中は自分が理想の貴族と崇めるフランスのブルボン王朝時代の貴族たちと食事をしているかのように振る舞うなど、奇行とも言える行動をするのですが、 それでも筆者はルートヴィヒ2世のこと威厳ある王様として尊敬していたことに驚きました。 今でもドイツ南部で王様といえばルートヴィヒ2世の名が挙がるほどの人気者だそうですが、 その理由がちょっと垣間見れる本でした。
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「狂王」と呼ばれたミュンヘン王国のルートヴィヒ2世を間近で見た料理人ヒアナイスが思い出を綴った本。個々の料理へのこだわりはもちろん発見なのだが、新しい城ができたとき、空想の人物とともに食事をしているとき、王がどのように振る舞ったのかがわかって興味深い。 解題のルートヴィヒ2世の「世界」の背景がさらに理解を深めるきっかけとなりよかった。ミュンヘンとプロイセンとの関係性、フランス的趣味が大好きだったルートヴィヒ2世とドイツ的質実剛健で統一を推し進めたヴィルヘルム2世との比較などがわかると、まだ著者のエピソードもより鮮明になってくる。 たまたま図書館で手に取り一気に読んだだけだが、またいつかノイシュバンシュタイン城に行き、厨房を見てみたくなった。ヒアナイスがよみがえってくるよう感覚を楽しめそう。
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