熊楠さん、世界を歩く。 の商品レビュー
二〇一六年に慶應義塾大学出版会から出された同著者の『南方熊楠—複眼の学問構想』は博論を元にまとめられた大著だったが、こちらは一見児童向け伝記のようなコンパクトでかわいらしい本。著者は熊楠の文章を引用するたび自称を「ボク」にして現代語訳していて、最初は違和感を覚えながら読んでいた...
二〇一六年に慶應義塾大学出版会から出された同著者の『南方熊楠—複眼の学問構想』は博論を元にまとめられた大著だったが、こちらは一見児童向け伝記のようなコンパクトでかわいらしい本。著者は熊楠の文章を引用するたび自称を「ボク」にして現代語訳していて、最初は違和感を覚えながら読んでいたが次第に慣れてしまい、「おわりに」で「本書は、熊楠さんという人のもつさまざまな面について、筆者が主観的に感じてきたことを、読者と共有することを第一の目的としている」(p209)という一文を読んで、なるほどと思った。この本のなかでは、「ボク」は熊楠でもあり、著者の松居竜五さんでもあり、私たち読者でもあるのだ。
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とても読み進めやすい本でした。 博覧強記の天才肌の民俗学、生物学のアマチュア的学者のイメージを持っていましたが、その人生を流し読むことができ、意図した読書ができました。 ピーター⋅ラビットの作者ビクトリアス·ポターと南方との生い立ちの比較や柳田国男や牧野富太郎との接点など興味深く...
とても読み進めやすい本でした。 博覧強記の天才肌の民俗学、生物学のアマチュア的学者のイメージを持っていましたが、その人生を流し読むことができ、意図した読書ができました。 ピーター⋅ラビットの作者ビクトリアス·ポターと南方との生い立ちの比較や柳田国男や牧野富太郎との接点など興味深く読みました。 南方が息を引き取った日の最後の言葉など生命に一貫して興味を持ち続けた南方らしく、また、昭和天皇へのご進講と神島の話しは、南方へのご褒美の様な気がして心が温まりました。。
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南方熊楠に関する内外のいろいろな書物や論文、書簡から、平易な言葉でかの人となりを語り尽くしている。学問とは、学問への姿勢はかくあるべし、と考えさせられた。南方マンダラ、私自身、偶然や縁あって多数の線が交錯する萃点で学ばせてもらえていると感じることがあり、強く共感させられた。
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