妖花魔草物語 の商品レビュー
大人向けの少し残酷な短編集。童話のようなつくりで、美しい花や怪しい草木がそれぞれ話のキーワードとして登場する。色々な世界感が感じられ、あっという間に読了。物語に合った装丁や挿絵も美しくなかなか面白かった。
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どの花も美しく、そして、まさに妖しくて魔性を持っている。 それよりも恐ろしい人間もいるけれど、、、
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昔話の雰囲気で、植物を基底におき、人の欲望が何かを引き起こす様を語るお話。一話は短く(10~20ページ位)簡単に読める。文中に挿絵あり。ルビは中学年以上程度。少し不気味で、結果も良くないものが多く、そこがまた、子ども心を喜ばせそうな本だった。 「処刑台のマンドラゴラ」 バイエル...
昔話の雰囲気で、植物を基底におき、人の欲望が何かを引き起こす様を語るお話。一話は短く(10~20ページ位)簡単に読める。文中に挿絵あり。ルビは中学年以上程度。少し不気味で、結果も良くないものが多く、そこがまた、子ども心を喜ばせそうな本だった。 「処刑台のマンドラゴラ」 バイエルンのオットーという学者は植物の研究にのめり込み、遂には禁書に惹かれ、無実の人間が処刑されたら台の下にマンドラゴラが生えると知る。 「幽霊芝」 東の大国で臣試があり、大変難しいが役職につける。丹宗玄も試験に受かりたいが能力足りない。そんなとき、幽霊芝というキノコを食べると賢くなるという話を聞く。 「悪魔の時計草」 ロンドンにいた、ある青年の日記より。不摂生などで身体壊し、田舎で家族にも見捨てられている。ある日紳士から不思議な育て方をすれば寿命延びる花が咲く時計草を貰う。 「誘惑のウツボカズラ」 ベネツィアのロドリーゴはいつものように女を口説く。どうやら貿易商の女奴隷はふるいつきたくなるような美女らしい。 「朧の月下美人」 京の都の大臣は大変愛らしい赤子を持つが、占うもの全てが、殺すべき凶相だと言う。夫婦は完全に隔離した蔵で息子を育てるが、不憫でたまらない。17の時唐帰りの僧に見て貰うと、郷は消せないが寂しさを埋められると種をくれた。 「潮騒の人魚草」 アイルランドの八歳の少年は身勝手でわがまま、冷酷。周りからも忌み嫌われいつも一人。そんな時浜辺で、潮溜まりに取り残された小さな人魚を見つける。 「死香のジャスミン」 昔のアラビアにハサンという調香師がいた。幼馴染のザイナブは美しく結婚間近だったが、何百人も王妃を持つ王に見初められてしまう。王が飽きるのを待つつもりだったが、予想外に王はザイナブを寵愛し、ついには王妃の嫉妬をかう。 「嫉妬の背真珠草」 狛王院久胤は三十歳で立派な人物と評判。妻の桜子も誇らしく思っていた。しかし、隠し子がいるようだと他のひとに吹き込まれ、桜子は裏返しの憎しみから言われるままに毒を盛る。 「脇役のかすみ草」 ベラは美しく大輪の赤いバラのよう。ジェニーの婚約者を奪う。かすみそうのようなジェニーを馬鹿にする。披露宴の花もかすみそうはいらない、全て大輪のバラ。しかし、披露宴でとんでもないことが起きる。 「 夢紡ぐもの」 三十歳のメアリー・スミスは小学校の教師という仕事にも暮らしにも満足していたが、夢に悩まされていた。女の子が出てきて、訴えてくるが、誰かわからない。女の子は少しずつ年をとっていく。もう、間に合わないと訴える。ああ、そうだ。これは子どもの時名前をつけるほど大好きだったあの…。
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一つ一つの話は短く読みやすいが、その独特の雰囲気と心が揺れ動き落ちていく様子が丁寧に描写されていることで満足度の高い作品となっていて面白かった。
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伝説の植物マンドラゴラ、月下美人など、世界各地の植物にまつわる、不気味で不思議な物語たち。「美しい花には棘がある」の言葉通り、最後はゾクッとする展開があり面白かった。欲ってなかなか抑えられないものだなあ…。まくらくらまさんのイラストが美しく、物語の世界観を見事に描いていて良かった...
伝説の植物マンドラゴラ、月下美人など、世界各地の植物にまつわる、不気味で不思議な物語たち。「美しい花には棘がある」の言葉通り、最後はゾクッとする展開があり面白かった。欲ってなかなか抑えられないものだなあ…。まくらくらまさんのイラストが美しく、物語の世界観を見事に描いていて良かった。
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えー児童書なのに、人間の黒い感情を混ぜ込んだ、この禍々しい感じは良いのかしらと思いつつ、ついつい読んでしまうのが廣嶋玲子さんの魔力… 装丁が美しすぎます‼️
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出てくる植物に魅了されるみたいに読んだ。 自業自得、というような話もあれば、やるせなさが残る話もあり、全体的にほろ苦い。でもそれが出てくる魔草の雰囲気にぴったりで脳内でその美しさを想像して楽しかった。そして最後のお話にあたたかな気持ちになって、ほこほこな気持ちで本を閉じた。 やっ...
出てくる植物に魅了されるみたいに読んだ。 自業自得、というような話もあれば、やるせなさが残る話もあり、全体的にほろ苦い。でもそれが出てくる魔草の雰囲気にぴったりで脳内でその美しさを想像して楽しかった。そして最後のお話にあたたかな気持ちになって、ほこほこな気持ちで本を閉じた。 やっぱり廣嶋さんのお話好きだなぁ。
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こういう恋愛でもなくミステリーでもない短編は好き。朧の月下美人。孤独を背負った誰の目にも触れる事も接触さえ禁止され唯一の生き甲斐が月下美人を育てる事で満を期して月下美人と共に朽ち果てる内容に心を打たれる。 あっと言うまに読了。 再読したいストーリーが多かった。
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世界各地の植物にまつわる、不気味で不思議な物語10篇。 素敵な表紙と内容紹介で気になりすぎて買った。内容もとても自分好みで買って良かった。 蠱惑的な植物と嫉妬や執着、富などといった人の欲望が絡み合って恐ろしい世界へ導かれる。 まくらくらまさんによる飾っておきたくなるような美し...
世界各地の植物にまつわる、不気味で不思議な物語10篇。 素敵な表紙と内容紹介で気になりすぎて買った。内容もとても自分好みで買って良かった。 蠱惑的な植物と嫉妬や執着、富などといった人の欲望が絡み合って恐ろしい世界へ導かれる。 まくらくらまさんによる飾っておきたくなるような美しい表紙と、この物語の持つ妖しさと美しさがフルカラーイラストで描かれていて非常に魅力的。
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